検索窓
今日:5 hit、昨日:48 hit、合計:752,448 hit

引っ越しの理由 ページ38

コツ、コツ、なんて。

私の歩く少し後ろから同じ歩幅で歩く音が聞こえる。



自意識過剰だよって。

そう言われてしまえば確かにそうなのかもしれない。


でも私が少しスピードを速めれば、それに合わせてその音も早くなる。




勇気を出して振り返る、なんて事できなくて。

だからって、このまま家に帰れば家がバレてしまうわけで。
そしたら、せっかく引っ越した意味がなくなる。


ほんの少しの抵抗。

近くのコンビニに駆け込んで、タクシーを呼ぶ。


こんな事でお金使いたくないのに、って。

どきどきとする心臓を誤魔化すように、心の中で顔もわからないそいつに悪態をつく。






少ししてタクシーが見えて、急いで外に出てタクシーへと乗り込む。

そしたら当たり前だけどあっという間に家に着いて。



今日のがどうか私の自意識過剰でありますように、って。

そんな事を願いながら家のチェーンを掛ける。







「あ。」







パチ、っと部屋の電気をつければ
ぽつんと机の上に置いてある封筒。


そういえば今朝ポストに入ってて、時間ないからってそのままにしたんだっけ。


そんな事を思い出しながら封筒の封を切る、と…







「っ、」







バサバサ、と床に散らばる


私の写った大量の写真。







「なに…これ、」







それは決して公式の写真なんかじゃなくて。

明らかにプライベートの私。



…前にも何度か、届いた事があった。

引っ越す前。


届くだけ。
ただ、それだけ。


でもそれが物凄く怖くなって。
耐えきれなくて、引っ越した。



はずなのに。






ピンポーン

と鳴ったインターホンに思わず
びく、と肩を揺らす。



そっとモニターを覗けば







森本「こんばんわー。」







なんてにこにこと手を振る

慎太郎の姿。







「…あっ、ちょっと待って!」







一気に安心したと同時に急いで写真を片付ける。

それからガチャ、と家のドアを開ければ
「来ちゃった」と楽しそうに笑う慎太郎。







「…どうせまた終電逃したんでしょ。」






森本「あ、バレた?」







大して思ってもないくせに
「いつもごめんね!」なんて言う慎太郎を家に上げる。

そんな慎太郎に
「しっかりしてよ」って言いながら


来てくれてありがとう、と心の中で呟く。

▽→←▽



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (332 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1465人がお気に入り
設定タグ:SixTONES , 紅一点 , ジャニーズ   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

愛結(プロフ) - 風邪や過労が重なって病院送りになってしまうお話が読みたいです!できればジェシーメインがいいです… (2022年3月10日 2時) (レス) id: af769e5929 (このIDを非表示/違反報告)
だいきゃん(プロフ) - かなさん» リクエストありがとうございます!了解しました! (2020年5月5日 19時) (レス) id: b5a2ac4f1e (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - コンサートでのハプニングや怪我をしてしまう話を読みたいです (2020年5月5日 12時) (レス) id: c5596d406b (このIDを非表示/違反報告)
だいきゃん(プロフ) - yume.さん» 本当ですか!!嬉しいです!リクエストもありがとうございます!了解しました! (2020年4月29日 23時) (レス) id: dd465b5171 (このIDを非表示/違反報告)
yume.(プロフ) - とても面白くて一気に読んじゃいました!リクエストで生理痛で辛い日のメンバーの対応が見たいです! (2020年4月28日 0時) (レス) id: 28edb9fce5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:だいきゃん | 作成日時:2020年3月12日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。