懐かしい人�� ページ9
ー萩谷ー
くたくたで早く家に入りたいのに、待てど待てどマンションのエレベーターが来ない。
萩谷「(なんで来ないの…)」
もうかれこれ10分は待った。なのに来ない。上のモニターがずっと10階のとこで点滅してる。
時間も遅いから管理人さんはいないし、どこに連絡すればいいのかも分からなくて途方に暮れてる。
萩谷「(……絶望)」
疲労困憊の頭で考えられるのは、地道に階段で6階まで上がるのが手っ取り早いってこと、出来ればやりたくない。けど今俺が早く帰れる方法はこれか無さそう。
しょうがない、
最後の力を振り絞るしかない。
そう思って非常階段に向かおうとした時、エントランスから誰かが入ってきた。ここに住んでる人、何回か見たことある。でも挨拶はしたことない。
「……」
この人も相当疲れてるみたいで、しかも俺に気付いてない。のそのそと歩いてエレベーターの前に立つと、持っていた紙袋をドサッと置いた。
こんなに疲れてるのに、これから階段で上がらないといけない事実を知るなんて酷すぎる。
挨拶したことないけど、さすがに何も言わないで自分だけ行くほど腐ってない。から、意を決して声をかける。
萩谷「……あの」
「、はい」
萩谷「エレベーターなんですけど、ずっと降りてこないんです」
「……」
いきなり話しかけられてびっくりしてるんだろうけど、マスクと深めに被ってるキャップのせいで顔が見えない。この人芸能人なのかな、顔ちっさいし、髪の毛サラサラでいい匂いする。
萩谷「管理人さんもいないから、階段で上がるしかないと思いますよ」
「…そうなんですね」
声のトーンだけですごい落ち込んでるのがよく分かった。そうだよね、持ってた紙袋すごい重そうな音したし。チラッと視線を下に下ろす、紙袋にはパンパンに入った、手紙？……ん？この人なんの仕事してるんだろう。
萩谷「何階ですか？荷物持ちますよ」
「え、あ、そんな、大丈夫です」
萩谷「いやいや、結構重いんじゃないんですか？」
「でも…」
見られたくないんだろうな、多分。それを察知して俺が被ってたニット帽を紙袋の上に乗せてみた。これなら上部分見えないし、うん、大丈夫だ。どうせ俺のことなんて知らないだろうし。
萩谷「これで中身見えないし、大丈夫ですよ」
「……」
萩谷「？どうしましたか」
「はぎちゃん、？」
萩谷「え？」
そう言ってマスクを顎まで下げた人は、俺がよく知ってる人だった。
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azn(プロフ) - 更新再開嬉しいです！頑張ってください！ (2021年9月23日 0時) (
レス) @page18 id: 6e1dd374e2 (このIDを非表示/違反報告)
めらめらいおん(プロフ) - 更新再開嬉しいです！！！ありがとうございます！ (2021年9月22日 18時) (レス) @page14 id: 6f3854c411 (このIDを非表示/違反報告)
azn(プロフ) - 更新を楽しみにしています！！とても面白いです！！！ (2021年9月7日 14時) (レス) id: 6e1dd374e2 (このIDを非表示/違反報告)
夏恋(プロフ) - 懐かしさ感じて泣きました楽しみにしてます^ ^ (2021年3月7日 1時) (レス) id: 3a15ac0da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ
| 作成日時：2021年2月19日 6時
