Rest of my life

・ ページ21

ー森田ー






「っ、ごめっ…」



Aの目からはポロポロ涙が止まらない

俺はそれをただ突っ立って見てるだけ




森田「ど、どうした」

「わからな、いの、」

森田「え」

「なんか、勝手に出てきて…」



何回拭っても止まらない涙のせいで袖がびちょ濡れで、ゴシゴシ擦りすぎで目も真っ赤のA


あぁ、俺見たことある。





『っ、なんで、……』


この状況って、夢の中と一緒じゃん





「ごめ、ん」

森田「…なんで」

「……へ」

森田「なんでAが謝るんだよ」

「……だって」

森田「……」

「勝手に、私が泣いて…」

森田「違う」



勝手なことしてんのは俺のほうだ
Aは何も悪くないんだよ




森田「……」

「……わ、え？？」

森田「あげる」



そんな不細工な顔、誰かに見られたら大変だから。

俺が被ってたバケットハットをAに被らせたけど、頭が小さいAにはサイズが大きくて、顔の半分以上が隠れてしまった。



森田「……」

「み、みゅうとくん」

森田「じゃあな」



最後にまたAの頭に手を置いた。

なんでかAはまた俯いて肩が震えだして、でもすぐに「ありがとう」とだけ言ってエントランスの中へ入っていった。





久しぶりに、2年ぶりに話したのに、泣かせてしまった



森田「……」



あんな顔にさせるんだったら、会わなきゃ良かった





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