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辺りは氷が一面に広がる。
血に塗れた男の荒い息と静かな海の漣が響き渡る。
そんなここは、
パンクハザード。
ス「……………何しにここへ。」
ク「……お前を見によ。」
ス「なぜここが分かった？
まさか………
闇に通じてる訳じゃねぇよな？」
海に浮かぶペンギンがスヤスヤ寝息を立てている。
ク「おれは……
おれよ。スモーカー。」
ス「………ならいい。」
ドフラミンゴの忠告をし、
その場を立ち去ろうとするクザン。
口を開くスモーカーの言葉にクザンは足を止めた。
ス「あいつは、
お前をずっと待ってる。」
ク「………悪りぃな。
あいつが誰だか検討つかねぇ。」
ス「ここに来る時30分以上は泣き喚かれたな。
俺にしがみついて離さなかった。」
ク「おーいおい。
それは聞き捨てならねぇよ。」
顔に青筋を浮かべながらスモーカーの元へと戻っていくクザン。
スモーカーは目を合わせず、
ずっと空を眺めていた。
ス「代わりに聞いてやる。
なぜ、何も言わずに消えた。」
スモーカーが吸うタバコの煙が空へと舞い上がっていく。
ク「スモーカー。
俺は、言わなかったんじゃない。
言えなかったんだ。」
ス「…………………」
ーーーーーAちゃん。
俺、元帥を目指そうと思うんだ。
ーーーーークザンがもし元帥になれたら、
私、大将になりたい。
ーーーーーだが、もし俺が…………………
ク「あの時、俺はAちゃんに言おうとしたんだ。
もし俺が元帥になれなかったら、
俺は海軍を辞めるって。
けど、言えねぇさ。」
スモーカーはただ煙をふかせる。
クザンは遠い海の先を見つめる。
ーーーーー私は海軍を辞めない。
胸張って、
自分の正義を掲げられるまで。
ーーーーークザン！！
ク「俺が辞めるなんて言ったら、
Aちゃんは俺についてきちゃうだろ？」
スモーカーはちょうどタバコを吹かせ終えた。
ス「………なら、
Aは俺に任せてもらう。」
ク「あーらら。
俺がいないのをいいことに……。
だが、
俺を超えるのは相当難関だぜ？」
そう笑うクザンの脳裏には
Aの笑顔だけが浮かぶのであった。
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作者名：ピエロ | 作成日時：2023年6月2日 11時
