私の『正義』。 (ページ50)

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番外編2-2 ページ50

いつものよう、馬鹿みたいに飲み明かした一員は死んだように床に転がっていた。

シャ「起きてたのか。」

『……大人だからね。』

シャ「まだ根に持ってるのか？」

雑魚寝している隊員達から、少し離れたところで寝転がっていたA。

空の星を見ていると、急にシャンクスの顔が現れた。

『星、綺麗だよ。シャンクス。』

シャ「あぁ。そうだな。」

Aの横に腰をかけるシャンクス。

2人で満天の星空を眺めていると、
急にAは顔を横にしてシャンクスを見つめた。

その綺麗な瞳に吸い込まれるよう、
シャンクスも見つめ返した。

シャ「…なんだ？」

『いやー…

　シャンクスはいいパパになりそうだなと思って。』

シャ「！？

　 ………酒に酔ってるなんて言い訳聞かんぞ。」

『待ってよ。何か勘違いしてない？』

Aの発言に何か勘違いしたシャンクスは、Aの上に跨り見下ろした。

誘いじゃないのか？とアホ面をかますシャンクスの鼻を摘みながら違うわ猿とAはツッコむ。

『……私、父親って分かんないけどさ。

　シャンクスはすっごく立派な父親になれそう。

　強くて、優しくて、子供の憧れるパパ。

　私も、そういうパパが…………』

「良かった」

その言葉はなぜか口にできず、
言葉に詰まり、ただシャンクスを見つめていた。

シャンクスもただAを見つめる。

2人の間に静かな風だけが流れていた。

『……私わがままなのかなぁー。

　シャンクスにガキって言われても仕方ないね。』

考えることに疲れたAは、静かに目を閉じる。

すると、額に何かがぶつかり目を開けると

夜空は何も見えず、代わりにシャンクスの顔だけが視界に入った。

シャ「そうだな。
　お前は俺にとっちゃガキだ。

　なのに、

　大人に見えて困ってる。」

あと少しで触れそうな口。

その口からほんのり香るお酒の匂い。

そんなシャンクスは、今までに感じたことのない色っぽさを放っており、Aは少しばかり頬を赤く染める。

シャ「……俺はお前のパパにはなれねぇ。

　だが、『家族』にはなってやる。」

そう言うシャンクスは、そっとAの鼻にキスを落とし、その場を後にした。

視界に再び現れた星は、

先ほどよりも輝きを増しているように見えたAなのであった。

　・・
シャ「(俺の、家族になれ。

　 A。)」