私の『正義』。 (ページ30)

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『さっきボルサリーノさんが来たじゃん。

　まぁ、到底彼らが勝てるはずなんかないでしょ？』

ク「…うん。」

『そこに一緒に来てたくまくんが、
　麦わらくん達を消し飛ばしたの。

　

　

　これって海軍からすれば裏切り行為になる？』

ク「………難しいこと聞いてくるね。」

『これがさ、やばいところにそれぞれ飛ばされたならいいじゃん。

　でも、この出来事が今後彼らの力になるのなら……

　くまくんは麦わらの一味を護ったことになるよね？』

ク「………裏切った七武海が憎いか？」

『ううん。悔しい。』

ク「麦わらを逃してか？」

『……ううん。

　
　彼らの…

　敵であることが悔しい。』

クザンは何も言わず、

ただAの頭を優しく撫でていた。

ク「じゃあ、

　海軍を辞めるのか？」

その言葉にAはガバッと顔を上げた。

クザンも少し驚いたように目を開くが、同様にAも目を大きく開いていた。

『それはないよ？』

ク「…え。今の流れ的にそうじゃないの？」

『私は海軍を辞めない。

　胸張って、
　
　自分の正義を掲げられるまで。』

そう言うAの目は誰よりも真っ直ぐにクザンの目を捉えていた。

そんな視線にクザンも目が離せなくなる。

ク「…………ほんっと。

　Aちゃんって嫌だわ〜……」

『顔近づけるな！！

　服の中に手入れるな！！

　このむっつり野郎！！』

ク「何言ってんの。

　むっつりじゃない、ガッツリだ。」

『うっさいわ！！！』

散々に引っ叩かれたクザン。

呆れたAは、手が緩んだ隙にベッドを降り、そのまま部屋を出ようと扉に歩んでいく。

ク「………そういえば。

　なんでトラファルガーだけ名指し？」

『………………オークション会場にいたから。』

なんとも言えない間を溜めて言葉を吐き捨てていったA。

ク「……………おいおいマジかよ。

　ほんっと………

　勘弁してくれよAちゃん〜………」

1人部屋に残されたクザンは、
この後一晩中うめき声を上げるのであった。