月夜の晩 ページ1
今日は半月。
波も風も穏やかで、このまま今日が何も無く終わるとこだった。
｢こんばんは。｣
突如現れたのは、黒い翼をもつ、鳥人間という表現が正しい。
身長の割に細く長いしなやかな白い足が、チェックのスカートから見え、幼さを増す。
切り揃えられた前髪と高い位置で結ばれた黒い艶やかな黒髪は、動く度に揺られまるで灯火のよう。
｢だっ、誰だ！？｣
1人の海賊が反応する。
｢私？私はねぇー...｣
嫌味のように口角を上げ、ご自慢の八重歯が姿を現す。
｢ハートの海賊団・“
腰に手を当て、胸を張り
堂々としている。
｢そう言えばわかるかな？｣
死の外科医、トラファルガー・ローの右腕。
それが彼女、(ルーティ)だ。
｢さて、ダンスの時間だよ！
なにかに連れられるかのように足を運び、嫌でも踊り出す。
仕舞いには刀を持ち、銃を持ち、殺し合いとなる。
｢じゃあそろそろ！
その合図はすぐに訪れた。
仲間同士の討ちあい。
それを眺めるのは(ルーティ)。
世界でも珍しい飛行型の悪魔の実を食べた者。
ヨルヨルの実。
それが彼女の悪魔の実。
夜に愛され、夜が(ルーティ)を守る。
そして(ルーティ)も夜を守る。
夜に愛されし(ルーティ)は、夜だけその空を自由に飛べる翼を手にする。
｢ロー！｣
船の甲板にて、1人の影をみつけその人目掛け羽をしまう。
彼はふわりと彼女をキャッチし、抱き留める。
｢おかえり、(ルーティ)。｣
｢ただいま、ロー。｣
(ルーティ)は異常なまでにローに依存し、愛を魅せる。
ローもそれを普通とし、気に留めない。
これが2人のふつう。
｢怪我、してねぇか？｣
ローが問う。
｢してないよ！大丈夫！｣
(ルーティ)が笑う。
続く
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作者名：なか | 作成日時：2019年11月24日 22時
