隻眼の審神者

19話 ページ21

……廊下を歩いていて、ふと思った。

ここの本丸、誰も攻撃してこないな。

いや、しないに越したことはないのだが…

こんのすけとかは｢入った瞬間、グサッとという可能性も｣とか言ってた割に、

攻撃的な奴は居ない。

まだ主が死、んでないからか。

[もうヤダよ…]


……？

[もう、ここ出して…]

……子供…の声

壁から子供の声がする。

もしかして…

壁に耳を当てると風の音がする。

成程、隠し階段か部屋か…

絶対にここに部屋は作れない。だって裏側、池だったし。

そうとなると、地下だ。

壁の右側をそっと手で押すと、少し回って階段が現れた。

忍者屋敷かよここは。

こんなん、忍○ま乱○郎ぐらいでしか見た事ねぇぞ｡

階段の下が見えないほど暗いのでしょうがなく、掌で霊力を燃やしながら階段を降りた。

三十段程あっただろうか、

降りると鉄格子が見えてきた。

その奥には座敷があり、そこに居たのは。

異形の者だった。




『……闇落ちか…惨いことをする…』

？｢貴方ダれ？どうヤッてコこに来たの？｣

『俺は蓮。普通に階段を降りてきたが？』

？｢ははっ、おもシろいね、｣

異形の者は笑う。でも、それが俺には泣いているようにも見えた。

『お前は？名はなんという。』

？｢……ミダレ。乱藤四郎｣

そう言う。

彼の容姿について言えば、脇腹あたりから骨は突き出し、目は赤眼。足には尻尾の骨のようなものが巻きついている。

だが、

『……綺麗だな。おまえは。』

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