隻眼の審神者

13話 ページ15

五虎退による手当も終わり、次はと加州の目に触れる。

足の呪いよりか全然ましだ。

だから左でしようと思っていたんだけどたな。

『こっちは傷を治すところからだからな、左でやらなきゃ細かい動きができん。』

五｢主様は左利きなのですか？｣

五虎退の質問。

『うーん…左利きよりの両利きだな』

と言って、作業を開始する。

左手にも右手同様のやけどが出来る。

さっきの痛みと比べりゃマシか。

思ってた以上に呪いは簡単に解け、目の治療に入った。

神経は完璧には切れてない。

だが、見えないけど光加減による明るさ程度は分かるだろうぐらいな感じだが。

そこを霊力で繋いでいく。

人間の霊力で繋げときゃ、あとは自身の神力によって自然回復する。

繋ぎ終わった。よし、もういいか…

ふうっと力を抜き、背中から倒れる。

龍｢主ｯ!｣

大龍鬼が支えてくれたおかげで背中を強打することは無かった。

五｢あ、主様、大丈夫ですか？｣

ワタワタしながら五虎退が聞く。

永詠桜はワタワタしていたが、僕が目配せすると、加州の方に回った。

剥がすのは、あっちは気づいてないかもしれないが、刀剣自身の神力も使う。

永詠桜はこういう時、兄なのだ。

『あぁ、五虎退、大丈夫だよ。少し、疲れたけど…
今日は離れに行けなくてごめん…』

五｢だ、大丈夫です！それよりも、主様の方が心配です…｣

龍｢…まだ夕餉まで時間がある。それまで寝れば、主ならある程度回復出来るはずだ。もう休め。｣

『ああ、そうだな…
五虎退、お前は俺の部屋に隠れてろ、お前は今のここの審神者にとっちゃ折れた存在だ。
永詠桜は気配を隠しながら、加州の様子見を、加州ももう少しの間、歩けないふりと見えないふりをしてもらわなきゃならない…
大龍鬼、お前は気配を消しながら俺の部屋にいろ。
あとは永詠桜…指揮を…たの…んだ……ｽｰｽｰ』

永｢寝ちゃった…｣

龍｢俺は主を部屋まで運ぶ、五虎退着いてこい。｣

五｢は、はいぃ！｣

あと、あいつをやるまで27時間

14話→←12話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す