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1話 ページ2
side 北人
マコ「なぁ！！考え直せよ！！」
ホク「……ごめん。もう無理なんだ。」
僕達が住むこの故郷に
未練が無いわけじゃない。
沢山の人が愛してくれた。
色んなことを教えてくれた。
お兄ちゃんが居なくなって
泣いていたボクを支えてくれた。
馬鹿なことしても笑い飛ばしてくれた。
でも、それでも……
ホク「……ボクはAと結ばれたい！！」
マコ「だからって……！！」
お前が禁忌を破らなきゃいけないのかよ！！
泣きそうな顔でそう叫ぶマコ。
ごめんね。
ほんとにごめんね。
これから、マコにとって
最低で最悪の判断を僕は下すんだ。
仕方ないんだよ。これは。
僕が好きになった、
世界で一番大切にしたい子は
人間だったんだもん。
ホク「ずっとそばに居てくれてありがとう。」
マコ「考え直してくれよ……」
嘆くマコを背にして、生命の樹の前に立つ。
そこには沢山の林檎が吊るされている。
この樹になる林檎は全部
『天使の生命』。
だから一つ一つ林檎に名前が記されている。
見習い天使のボクは一番下。
ホク「……あった。」
【hoku 1997.03.06】
熟れた真っ赤な林檎に記載された
ボクの名前。
その果実に拳銃を向けた。
マコ「！！やめ、……」
ホク「バイバイ。マコ。楽しかったよ。」
泣き叫ぶマコに
ありがとう、と告げて
ボクはその林檎を撃ち抜いた……
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作者名：和音 | 作成日時：2020年10月26日 22時
