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あれから少し日が経ち、徐々に体が回復して一人で車椅子を動かすことができるようになってきた。
何か買ってこようと思い売店を目指して車椅子を動かしている所だった。
売店は病院の１階にある。近くに待合所があるため、患者さんの他にお見舞いに来ている人も多い。
人にぶつからないように車椅子を動かして数10メートル先の売店を目指していると、なにやら女子たちの賑やかな声が聞こえた。
「あの！名前教えてもらっていいですか！？」
「連絡先だけでも交換しませんか！」
「私も知りたいです！」
待合所全体に響いていた。周りの人達の視線がその賑やかな声の方に集まる。
近くに座っていた人達は声のする方を見て「わぁ…」と声を上げた。
「まって、すごいイケメンなんだけど」
「アイドルかな？」
「あんなにかっこいい人初めて見たかも」
あちらこちらから聞こえる「かっこいい」やら「美形」という声。
私があの人を見た時に思ったことそのまま。
もしかして…
声が聞こえる方を見ると、やはり彼が女子たちに囲まれていた。
困ってそうに見えるけど、あの中に私が行っても何にもならない気がする。
心の中で「ごめんなさい」と謝り、車椅子を進めようとした時だった。
「A！」
さっきまで耳に入っていた賑やかな声が、一瞬にしてかき消された。
私の名前を呼ぶまっすぐで透き通った声。
『A』
彼の声が頭の中ではっきりと聞こえた。
彼はきっと私の記憶が無くなる前から私をこんな風に呼んでいたんだ。
初めて呼ばれたはずなのに、何度も呼ばれた気がするから。
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薄(プロフ) - リノ推しさん» そう言ってもらえて嬉しいです！これからもお楽しみいただければ幸いです！ (8月21日 7時) (
レス) id: 881b900482 (このIDを非表示/違反報告)
リノ推し - めっちゃ面白い最高です！ (8月21日 0時) (レス) @page6 id: e3a9f906ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄 | 作成日時：2023年8月17日 23時
