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足元にあった欠片が一つ二つと宙に浮き、目の前の額縁に収まっていく。
無数にあった欠片は、気づけば手で数えられるくらいしかない。
きっと最後の欠片は私と彼が＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
また仲良くなりたいと話しかけてくれた。
『Aは、俺の大切な人だから。』と言ってくれた。
ピアスをつけてくれて似合ってると笑った。
照れると分かりやすく耳が赤くなる彼。
思い出せば出すほど彼の顔が鮮明に浮かび、この人に恋人がいたとしたらその人は凄く幸せなんだろうと考える。
凛とした佇まいなのにすごく優しさに溢れた人。
私はどうして今までこの「好き」という感情を忘れていたのだろう。
でもまだ曖昧だ。
互いに「好き」と思っていても、私たちの今の関係は恋人じゃない。
『俺はあなたの友達なんです』
初めて会った時に言われたその言葉が胸に引っかかる。
答え合わせをしたい。けれど今、彼は風邪で寝込んでいて答え合わせを出来る状態じゃない。
次会った時に聞いてみよう。
先延ばしもしたくない。この不思議なもやもやした感情のままではいられないから。
濡れたタオルを新しく冷たいのに変えてそっと額に乗せた。
良かった、辛そうな顔が少し和らいだ気がする。
テーブルに携帯番号のメモを置いて、私は彼の家を出ようとした。
玄関横にある伏せられた写真立てが目に入る。
伏せてたら写真立ての意味が無いのではと思い、立て直すと、その写真立てには私の姿が写っていた。
幸せそうに笑っている写真。
それに耳には雫のピアスが付いていた。
続く (更新停止中)
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薄(プロフ) - リノ推しさん» そう言ってもらえて嬉しいです！これからもお楽しみいただければ幸いです！ (8月21日 7時) (
レス) id: 881b900482 (このIDを非表示/違反報告)
リノ推し - めっちゃ面白い最高です！ (8月21日 0時) (レス) @page6 id: e3a9f906ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄 | 作成日時：2023年8月17日 23時
