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LK side
お互い疲れててちょっとだけ衝突した小さな喧嘩だった。
数時間経てば「なんでこんなことで怒ったんだろう」と罪悪感に包まれるだけで、早く仲直りしたい一心で。
電話をかけたくて公園の屋根のあるベンチに座り、彼女の番号を押した。
『…もしもし』
いつもとは違う硬い声。
「A、俺だけど…
仲直りしたいんだ。いつ会える？」
顔が見えない分緊張してしまう。緊張気味な声が自分でも分かった。
彼女はそれに笑ったのか、
『私も仲直りしたいと思ってた。』
といつもみたいに柔らかく笑った声が聴こえ、少し安堵した。
「今どこにいる？」
『大学の近く。ミノは？』
「家の近くの公園」
『じゃあ今からそっち行くね』
「雨降るらしいけど大丈夫？」
『大丈夫〜』
見上げれば、機嫌の悪そうなどんよりとした空。
今にでも刺さるような雨が降ってきそうな気がした。
ここで「天気が悪くなるから明日にしよう」「俺がそっちに行く」と言えば良かった。そしたら何か変わっていたのかもしれない。
俺は一生後悔することになる。会いたくて、仲直りしたくて「待ってる。」と言ってしまったことを。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
電話を切ってから一時間。天気は悪くなる一方で、予想通り体に刺さるような雨が永遠に降り注いでいた。
一時間経っても彼女の姿が見えない。
大学からここまで歩けば二十分でつける距離だ。なのに一時間経っても来ない。
何かあったんじゃないか。
不安な気持ちを煽るように徐々に雨が勢いを増していく。
胸騒ぎがして、彼女に電話を掛けてみるが繋がることはない。
じっとしてられなかった。スマホを握りしめて立ち上がったり、座ったりして彼女からの連絡を待った。
数分後、手の中にあるスマホが震えた。急いで見ると、電話をかけてきたのは彼女じゃなく、彼女の母だった。
彼女の母から電話をかけてくることなんて今まで無い。だから余計胸騒ぎがする。
恐る恐る通話ボタンを押して「もしもし」と言った途端『ミノさん…！！』と戸惑いと焦りが含まれた声が聞こえた。
『Aが…、！』
それを聞いた時、心臓がひゅっとなったのと同時に真っ先に体が動いた。
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薄(プロフ) - リノ推しさん» そう言ってもらえて嬉しいです！これからもお楽しみいただければ幸いです！ (8月21日 7時) (
レス) id: 881b900482 (このIDを非表示/違反報告)
リノ推し - めっちゃ面白い最高です！ (8月21日 0時) (レス) @page6 id: e3a9f906ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄 | 作成日時：2023年8月17日 23時
