29 ページ29
あれから一週間が経ち、生活に支障が無いくらい歩けるようになり、ようやく明日退院できることになった。
たまたま居合わせたヒョンジンさんに明日退院できることを伝えると少年のように喜んでいたのを思い出す。
あと伝えなきゃいけない人がもう一人いる。
一番伝えたい人。
この人が居ない病院生活を考えただけで背筋が凍ってしまうくらい大事な人。
出会った時から変わらない優しい瞳と温かい雰囲気に何度救われたか。
病室のドアが開いて彼が来るのを待っていた。
だが、夕方になっても彼が現れることは無かった。
窓を開けると辺りは真っ暗で、冷たい風が肌に触れる。
彼は毎日来る訳では無いのは分かっている。けどなぜだろう、胸がざわめくのは。
こうゆう時にスマホがあったら連絡できて便利だというのに一向に私の手元にはスマホが戻ってこない。
夜風に当たりながら私は目を瞑り、彼のことを考える。
私の中にあるパズルはいつ完成する?
あの夢が終わる時に貴方が放った言葉はなんだったの?
その言葉だけが思い出せないよ。
誰に問いかけているのか分からないことを頭の中で呟いた。
このピアスは貴方がくれたのでしょう?
でも、なんでその事を言わないの?
私たちは、
「友達、なの?」
529人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
薄(プロフ) - リノ推しさん» そう言ってもらえて嬉しいです!これからもお楽しみいただければ幸いです! (8月21日 7時) (レス) id: 881b900482 (このIDを非表示/違反報告)
リノ推し - めっちゃ面白い最高です! (8月21日 0時) (レス) @page6 id: e3a9f906ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:薄 | 作成日時:2023年8月17日 23時