27 ページ27
HJ side
Aさんと話終わって帰ろうと思った時、不意に何かを描きたい気分になった。
職業病とでも言うべきか。でもまだ駆け出しの画家だから職業病というには早いのかもしれない。
バックからスケッチブックを取り出し、鉛筆を持って近くにあった枯れる寸前のバラを描こうと思った。
綺麗なバラも好きだけど、色褪せたバラも魅力的ですらすら手が進む。
いつも絵を描いている時は周りの声なんて耳に入らないほど集中モードだ。自分の耳には紙と鉛筆が擦れる音しか入ってこない。
なのに今日は違った。
「ありがとう」
微かに聞こえた声はさっきまで話してたAさんの声。
ありがとうって言ってるってことは誰かといるのかな？
何故か気になって鉛筆を走らせるのをやめ、くるりと声が聞こえた方を向いた。
そこにいるのはAさんと一人の男の人。
その男の顔を見た瞬間、思わず「えっ…」と声が漏れた。
「かっこよすぎじゃない…?」
アイドルって言われても納得出来る。納得しかしない。むしろ一般人って言われたら疑問に思うぐらい容姿端麗な人だ。
不思議とあの人の周りが輝いてるように見えるんだけど？
周囲の人も彼を目で追っているし、良い意味でその人は目立つ存在だ。
そんな人とAさんが一緒にいる。
もしかして、
「あの人がAさんの、思い出せない人…？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 529人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
薄(プロフ) - リノ推しさん» そう言ってもらえて嬉しいです！これからもお楽しみいただければ幸いです！ (8月21日 7時) (
レス) id: 881b900482 (このIDを非表示/違反報告)
リノ推し - めっちゃ面白い最高です！ (8月21日 0時) (レス) @page6 id: e3a9f906ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：薄 | 作成日時：2023年8月17日 23時
