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「どうしていつも海を眺めているの?」


「いつも?」


「…あ、帰り道なの」



自分からさりげなく地雷を踏みにいっていた。


気持ち悪いと思われないために帰り道でよく見かけると言うことにしておこう。




彼は私の質問に海を眺めながら答えた。




「綺麗だから。」




「海が綺麗だからいつも見ているの?」




「綺麗な物はずっと眺めても飽きないよ。」





綺麗だと思っていたものは見続けるにつれてその綺麗さが薄れていくのだと思っていた。



綺麗に慣れてしまう。そう思っていたのに彼は私とは違う考えを持っていた。





「君はこの海を綺麗だと思わない?」



「綺麗だと思うけど、立ち止まって眺めるぐらいじゃないかも…」



彼と話す時だけ何故か思った事が正直に出てしまう。
綺麗だと思って海を眺める人に私はなんてことを言ってしまっているんだろう。




「いつも見てきた物には飽きてくる?」



「いや、それは…」




彼は海から視線を外し、私の目と合わせた。


彼の目は海のように透き通っていて、私の全てが見透かされている気分だった。




「つまらなかった?」


「えっ?」






彼がその次に発した言葉は、まるで私の人生を分かりきったような言葉だった。






「今までの生活。」







ザァーっと波の音がする。


普通の生活に嫌気がさしていた。

普通じゃない、何かが起こるそんな生活がしてみたいって何度思ったことか。
















「そのつまらない生活、俺が変えてあげる。」




「え、?」











彼は立ち上がり、私に微笑んだ。





「これから楽しいことしよ」と言った彼の姿は無邪気な少年のように明るくて、何故か儚い。







彼との出会いが私のつまらない人生を大きく変えてくれるなんて今は思ってもみなかった。

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作者名: | 作成日時:2023年2月24日 18時

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