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Shoside
「謎の液体？」
病院に着き、廉の首に刺さった針の成分表に目を通した。
『はい、こんな成分の物は見た事がありません。』
医師が首を傾げてまた表に目を通した。
針に付いてた液体の正体は分からないが、どうやら長い時間人を強制的に眠らせる事が出来る成分が一部入っているらしい。
『治療法は現段階だとありません。ただ目を覚ますことを待つしか…』
「…ああ」
『す、すみません…』
気づいたら今までにないぐらい低い声が出ていたようだ。
「いや、ありがとう。もう下がっていいよ」
医師をこの場から退出させ、俺は廉のベットの横にある椅子に座った。
そして盗聴器兼ピアスを廉の耳から外し、パソコンに差した。
クリックを押すと、彼女と廉の会話が聞こえた。
またクリックを押すと、ダンスパーティーの最中に切り替わった。
『すいません写真を撮ってほしいの』
見知らぬ女の嫌な甘い声。
『ここは少し暗いと思いますが』
途端、音楽が消えた。
そして耳元で囁いたのか鮮明に聞こえた女の声。
『美しい姫には薔薇を』
一気に身の毛がよだった。間違いなくRoserだ。
この女は俺らから廉を遠ざけたのだろう。
でも何故？
クリックをし、バルコニーでの会話が流れた。
『今回の目的はこいつじゃない』
男がそう言い放ち、星宮さんの声が聞こえる。
その瞬間、廉が「お嬢様！！」と叫んだ。
そして、そこから星宮さんがひたすら「永瀬！」と呼ぶ声。
どうゆう事だ？今回の目的は彼女じゃない？
だったら…
「Roserの目的は、廉かよ…」
それなら全て辻褄が合う。
ダンスの場から廉を遠ざけ、彼女の護衛をさせないようにした。
それは、廉の身体能力を元から知っていて変に戦いたくなかったから。
廉が彼女を守ることは分かっていたから見えるように彼女を撃つふりした。
1年間、身を隠し廉を調べあげて実行が今日だったってことか。
廉が眠ったままなら彼女の護衛は大幅に落ちる。そこからなら彼女を攻撃することが楽になる。
殺意しかなかった。
今すぐにでも潰してやりたい。
この世から抹消して全てが終わればいい。
黒い感情が渦巻いた。
俺の友達を、彼女を一途に愛してる男をこんな目に遭わせるなんて黙ってる訳にはいかなかった。
続く (更新停止中)
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作者名：薄 | 作成日時：2022年11月19日 0時
