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平野家＿＿＿＿＿＿
ダンスパーティーは少し警戒がある。
『美しき姫には薔薇を』
もしかしたらまた彼女の前にあいつらが現れるかもしれない。
それがダンスパーティーかもしれない。
彼女の執事として護衛は絶対だ。
「廉の当主様の周りには沢山人が寄ると思うから気をつけないとね。あとこれ」
「ちょ…！なに…！」
紫耀がいきなり耳たぶを触ってきたと思ったら右耳には細長いゆらゆらした物が付けられていた。
「イヤリング兼盗聴器。やっぱり似合うね」
「は！？何でそんなもん…！」
「ダンスパーティーの時になんかあったらあれじゃん。後は情報用」
紫耀はにひひと笑い俺はため息をついた。
「色々調べてたんだけど、星宮さんってめっちゃモテるね。色々聞いたりしたら彼女は美しさの塊だとか良いなら是非結婚したいくらいだとか」
「は？」
「廉、今すっごい怖い顔してる。」
そりゃあ勿論だ。
誰かも知らない奴に渡す訳がない。
「ダンスパーティーはいい感じに立ち回りなよー、あとはRoserに警戒だね。ここ1年、全く動いてない。」
確かに。やけにこの1年間静かな気がする。
平和すぎる。
「星宮さんもだけど、廉も気をつけて。顔が覚えられた以上、あっちがどう攻めて来るか分からないから」
俺はグラスに注がれたワインを一気に飲み干した。
「俺の事は後。まず俺が守るべきなのはAやから。」
そう言うと紫耀は「流石」と言いグラスに口を付けた。
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作者名：薄 | 作成日時：2022年11月19日 0時
