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俺の好みの色とデザインのドレスを持って試着室に入った彼女見てから俺は壁にもたれかかった。
「はぁ…」
ずっと気持ちに蓋をしてたけど蓋が外れそうになる時がある。
正直、どのドレスを着ても彼女は似合ってしまう。パーティーに相応しいドレスを言えば良かったのに欲丸出しに答えてしまった。
可愛い彼女の前だと執事の礼儀さえ無力になることが分かった。
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「大変お似合いです!」
ちょっと経つと試着室からメイド達の喜びの声が聞こえた。
試着室のカーテンが開けられ、彼女が俺の前に姿を現す。
上に行くほど鮮やかになる青いドレスとミルクベージュの髪が驚くほど似合っている。
「どう?」
「可愛い」と声に出しそうなのを抑え俺は「よく似合ってます」と答える。
「じゃあこれにする」
「承知しました!少々お待ちください!」
仕立屋が急いでここから出ていった。
メイド達も颯爽と部屋を出ていった。
そして部屋には彼女と2人きりになった。
「ねぇ、永瀬」
「なんですか?」
「お似合いです以外の言葉で今の私どう思う?」
「凄く綺麗ですよ」
俺がそう言うと彼女は頬を赤くして笑った。
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作者名:薄 | 作成日時:2022年11月19日 0時