For you (ページ18)

今日:9 hit、昨日:8 hit、合計:26,706 hit

18 ページ18

彼女の机の上には大量の手紙と、ティーカップが置いてある。

ティーカップの中にはハーブティーが入っているようだった。湯気が出てないからきっと冷めているだろう。

彼女はハーブティーを口に運んだ。

そして彼女の表情を見た。

「…少々、この場を離れてもよろしいでしょうか」

「ええ」

許可を取り、部屋から出て俺はある場所に向かった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

ｺﾝｺﾝｺﾝ

「どうぞ」

部屋から彼女の声が聞こえたのを確認し、中へ入った。

彼女は俺に目もくれず、手紙に向き合っていた。

俺は彼女の傍にあるハーブティーが入ったティーカップを取り上げ、空のティーカップを置いてロイヤルミルクティーを注いだ。

それに気づいたのか彼女は目を見開いてこちらを見ている。

「甘い物には気分をリラックスさせる効果がございます。ハーブティーを無理して飲んでいるように感じたので、勝手ながらロイヤルミルクティーにさせて頂きました。」

ハーブティーを飲んだ時に渋い顔をしたのを俺は見逃さなかった。

彼女は手紙を置きミルクティーを一口飲むと、

「…美味しい」

ふわりと彼女は微笑んだ。

会ってからようやく彼女の笑った顔を見た気がする。それが俺にはたまらなく嬉しくて胸の奥が熱くなった。