天色の魔女(S.Ryuto) (ページ4)

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わいわい盛り上がっている中、話のスポットライトが俺に当たった。部長が笑いながら言った。

「作間が魔女の虜になったら女子達は荒ぶるだろうな。」

「え、なんでですか？」

「この無自覚が…イケメン、文武両道、スタイル抜群、ミステリアス、性格良し、運動部。モテる要素しか無い。3年からはすごいモテてるぞ。」

「俺ら1年の間でも作間先輩ってモテてますよ。」

「えぇ…」

正直まったく知らなかった。みんなから冗談で言われてるものだと思っていて特に気にした事はなかった。

「でも告られた事は無いよ。」

「作間って、こっちから手が出しづらいイケメンなんだよ。なんか見てるだけで充分みたいな。高嶺の花って言ったらいいんかな」

「え、なにそれ」

　

「近づきずらい美しさの塊って感じ」

あぁー分かるわと周りから共感の声が聞こえる。そんなに俺って近づきにくいんだろうか。

「俺、おんなじ部じゃなかったら作間先輩のこと、イケメンな人だなって見てるだけでしたもん。話しかけるのがおこがましいってゆうか。」

「そんなに？」

男子からもそう思われているのに驚いた。もしかしたらこの部に入ってなかったら誰とも仲良くなれずに高校生活を送っていたかもしれない。

「だからこうして話せるのが俺らの特権ってわけ！」

ドヤ顔で俺の肩を掴んだ。他の部員も背中を叩いたり、抱きついたりしてきた。

「暑いって笑」

「作間にこんな事できるのバスケ部だけだよなー」

笑いながら皆の手を解いていたら部活中は魔女のことなんてすっかり忘れていた。