天色の魔女(S.Ryuto) (ページ13)

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あれから1日経ち、俺はまた彼女がいるだろうと思い、図書室に行った。

一歩踏み入れると、彼女の姿があった。

ページを捲る音だけが図書室に響いていて、太陽は窓を反射してミルクベージュ色をした肩まである髪を照らしている。

真っ直ぐな姿勢と真剣な表情で読んでいる姿はまるで絵から出てきたかのように美しく、息をするのを忘れていた。

「あなたは…」

彼女は気づいたらしく驚いた顔で俺の方を見た。

「再度お礼を言いに来ました。

昨日は助けてくれてありがとうございました。」

「そんなお礼を言われることはしてないです」

と彼女は遠慮気味に言った。

しばらくの間沈黙が続き、固まっていると彼女は本棚から本を取ろうとしていた。

だが本のある位置が高く、彼女が背伸びをしても届かない。

諦めようとしている彼女の後ろからさっき取ろうとした本を取った。

彼女の肩がぴくっと上がったような気がした。

「これ」

彼女に本を渡すと「ありがとう」と少し驚いた顔をした。

「本が好きなんですか？」

少し気になりそんなことを聞いた。

彼女は寂しそうな顔をして言った。

「周りから何も言われない場所がここしかなくてここに居たら本を好きになってた。」

天色の瞳は揺れていて悲しそうに微笑んだ。

「って、余計な事まで私何言ってるんだろう」

無理に笑っているとすぐ分かった。なんでこんなことを聞いてしまったんだろうと思った。