天色の魔女(S.Ryuto) (ページ2)

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「作間、練習行くぞ」

「あ、うん」

考え事をしてる中、背中を叩かれ思わず我に返った。

「女子集まる前に行くぞ！」

「お前ほんとにモテんだから！」

「モテないって」

「この無自覚が！」

四方八方から皆叩いてきてかなり痛い。俺は急いで荷物を持って教室を出た。

「あ、部室の鍵取ってくるから先行ってて」

職員室へ行くために西階段を降りようとした時だった。

「あれ？」

右の突き当たりにある図書室が放課後なのに扉が少し空いていた。普通だと放課後は鍵が掛かっているはずだ。

人がいるんだろうか。でも図書室を利用する人なんてほぼいないはず。

疑問に思ったが早く鍵を取りに行かないと部室が開けれないため、俺は階段を降りた。

________

「佐藤先生、部室の鍵を取りに来ました。」

「お、作間か。部活頑張れよー」

佐藤先生から鍵を貰い、そのついでに図書室のことについて聞いてみることにした。

「先生、図書室が空いてたんですけど放課後って鍵が掛かっているはずですよね？」

そう聞くと、先生は「あー」と納得したように言った。

「人がいるから空いてるんだよ」

「人ですか？」

不思議に思っていると、佐藤先生は面白そうに言った。

「生徒の間ではこう呼ばれてるのか

＂天色の魔女＂」