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研修中に体調が悪くなったみのりは、1人検査を受けていた。
彼女は単なる風邪だと言っていたけれど、どうしても心配で私たちが検査を勧めたのだ。
検査結果が出る日、私達はずっとソワソワしっぱなし。
だけど研修はきちんと受けなければならないから真面目に勉強し、執務室へと戻る。
一足先に帰っていたみのりは執務室にいて、検査結果が書かれていると思われる紙を握りしめたまま突っ立っていた。
私達に気づいたみのりはこちらを見ている。
逆光でわからなかったが、もしかしたら彼女はあの時涙を流していたのかもしれない。
浬と2人で近づき、検査結果を見る。
その紙に書かれていたのはみのりの名前と、"拡張型心筋症"の文字。
それからみのりは研修医としてではなく、患者としてこの病院に居るようになった。
私と来生は2人を邪魔したくなくて、見守るだけ。
「体調が回復したら、お蕎麦食べたい。…前に行った鴨南蛮。」
「…うん。また行こう。」
幸せそうな2人を邪魔出来るほどの精神は私は持ち合わせていない。
来生と目配せし、その場を去った。
彼女が病気を発症して3年。
ドナーがなかなか見つからない中、みのりは私に初めて弱音を吐いた。
「私、死ぬのかな…死にたくないよ…。」
と。
私には弱々しい彼女の手を握ることしか出来なくて…。
だけどみのりは絶対に治る…治って私達と一緒に循環器内科の医師になって、浬と結婚して、幸せになる。
そう…私達全員が思っていた。
だけど、神様は意地悪だ。
ドナーを見つけている途中に、みのりを遠くへ連れて行ってしまった。
神様の元へ、連れて行ってしまった。
それからは浬は涙を流しもしない、お腹を抱えて笑いもしない。
私なんかじゃ、全然力になれなかった。
浬を縛る鎖を解いてくれるのはきっと、私じゃなくて佐倉さんだ。
「っ…分かってても、結構きついなぁ…。」
胸の奥がギュゥッと苦しくなる。
思わせぶりな態度をとる浬のことがよく分からない。
これ以上、苦しめないで欲しい。
「星野、まだ居たのか。」
「来生…。」
突然入ってきた来生に驚きながらも、涙の浮かぶ目をこする。
浬の席に座った来生は、"佐倉ちゃんに話した、みのりと天堂のこと。"そう言った。
「ん…そっか…。」
きっとここまで知った佐倉さんなら、浬を助けてくれるだろう。
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理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (8月9日 23時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2021年1月1日 13時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
はる - 更新応援してます！！頑張ってください！ (2020年6月3日 16時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
椋羽 - 続きの更新お願いします。 (2020年4月11日 1時) (レス) id: 66e72a95d0 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 絽梛さん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません…。頑張ります…！ (2020年3月14日 11時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かの x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月15日 21時
