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「わっ……て、天堂…。」
「巣鴨さん、退院はまだできません。」
支えてくれたのは浬で、その後ろには佐倉さんも居た。
私の肩から手を離した浬は、巣鴨さんに詰め寄る。
「もう帰るからな、俺は。」
「一つ、聞いて良いですか。」
巣鴨さんの言葉が聞こえないように話を続ける浬。
今だけは浬のこの性格が役に立っている。
「……なんだよ。」
「毎日飲んでいるものは何かありませんか？」
「え？」
浬の問い掛けに訳が分からないというように反応する巣鴨さん。
毎日、飲んでいるもの？
私は巣鴨さんの奥…すなわちベッド横の棚に目を向ける。
そこにはダンボールが置かれてあった。
あ…まさか…。
「ちょっと失礼します。」
私が動く前に浬はもうそのダンボールの中身を手にしていて。
「これ、飲まれてましたね。」
浬が持っていたのは青汁。
「おぉ。」
「…あ……。」
佐倉さんもそれがどういう意味なのかに気が付いたのか、小さく言葉を零していた。
「青汁？」
ナースステーションで小石川先生が口を開く。
「えぇ、体にいいからと自発的に飲んでいたようです。」
「そうか…それでワルファリンが効かなかったっていうわけか。」
「ビタミンKを多く取ると効果が減弱しますからね。」
まさか青汁を飲んでいただなんて。
担当医じゃないにしろ、そんな些細なことに気が付かなかった自分が悔しい。
「すみません…服薬指導をもっと徹底すべきでした。」
「気付きませんでした、申し訳ありません。」
頭を下げる2人の看護師。
悪くない、と言ったら嘘になるがそこまで謝る必要は無い。
「…あれ、ねぇ天堂。どうしてそれに気がついたの？私も気付いたのはさっきだし…。」
「……看護記録に書いてあった。」
私がそう聞くと、不機嫌そうに答えた浬。
看護記録…。
もしかして、佐倉さんが担当の日？
それなら納得ね…なんて考えているとそそくさとナースステーションを出ていく浬。
「ちょ、待っ…！」
私は急いで浬を追い掛けた。
エレベーター前でやっと追い付く。
「…なんだ。」
「……んーん、別に。」
追い掛けたは良いものの、つい先日冷たく突き放したことによって気まずい。
ポーンという音が鳴り、エレベーターに乗り込む。
エレベーターの中ではずっと沈黙だった。
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理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (8月9日 23時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2021年1月1日 13時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
はる - 更新応援してます！！頑張ってください！ (2020年6月3日 16時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
椋羽 - 続きの更新お願いします。 (2020年4月11日 1時) (レス) id: 66e72a95d0 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 絽梛さん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません…。頑張ります…！ (2020年3月14日 11時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かの x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月15日 21時
