3-12 ページ12
また次の日。
結局昨日は浬と話さずに過ごした。
ボーッとした頭のまま病院へと向かう。
溜息をつきながらも執務室で白衣に着替え、ナースステーションの方へ。
「おはようございます。」
「あ、星野先生。おはようございます。」
「おはようございます。」
挨拶してくれたのは石原さんと中野さん。
酒井さんはまだ来ていないみたいだった。
「回診はまだですけど、ちょっと見回り行ってきますね。」
なんだか体を動かしていないと落ち着かなくて、すぐにナースステーションを出る。
病室の中は覗かず、廊下を歩くだけ。
挨拶もしてくれるし嬉しいな、なーんて思っていたらガシャンッという大きな音と共に男よ人の声が響いた。
「もう限界だよ！」
どの病室…！？
私は早歩きをして騒ぎの病室を探した。
「巣鴨さん待ってください！」
キョロキョロとしながら歩いていると、佐倉さんの声が聞こえる。
巣鴨さん？
浬の担当の人か…。
佐倉さんが必死に巣鴨さんを止めている病室に入る。
「何かありましたか…！？」
「星野先生…！」
助けを求めるような目を佐倉さんにされ、下がるように促す。
「巣鴨さん、どうなさいました？」
「あんた誰だよ。」
「循環器内科の医師、星野と申します。」
「先生か…なら丁度いい。俺帰るから。」
「駄目です。まだ担当医から退院許可が降りていません。」
私と巣鴨さんの言い合いが続く。
すると佐倉さんは突然病室を出ていった。
恐らく、浬を呼んできてくれるのだろう。
それまでは私がどうにかしなければ。
「私は担当医ではありませんが、巣鴨さんのカルテを何度か見させてもらいました。…数値がまだ安定していません。ベッドに戻ってください。」
「担当医じゃないんだろ？だったら関係ない。」
「あなた…！もうやめてよ…！」
巣鴨さんの挑発に乗りそうだったが、必死にそれを抑え込む。
すると奥さんが巣鴨さんの肩を掴んだ。
奥さんはやめて、と訴えるもそれは虚しく消えていく。
巣鴨さんは奥さんの手を振り払い、ベッドの方へと彼女の体を倒した。
「…！巣鴨さん！やめてください。」
「どけ、邪魔だ。」
奥さんが突き飛ばされたことは驚いたが、今は、巣鴨さんを止めなければならない。
目を見ていると肩を強く押される。
あ、やば…。
後ろに倒れそうになった時、誰かに支えられた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1587人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (8月9日 23時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2021年1月1日 13時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
はる - 更新応援してます！！頑張ってください！ (2020年6月3日 16時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
椋羽 - 続きの更新お願いします。 (2020年4月11日 1時) (レス) id: 66e72a95d0 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 絽梛さん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません…。頑張ります…！ (2020年3月14日 11時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かの x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月15日 21時
