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「いつ退院できるかって？」
「話して貰えませんか？巣鴨さんに。」
入ってきたのは、浬と佐倉さん。
…今見たくない2人だな。
浬とは昨日のことがあるし、佐倉さんは…今朝の話を聞いてから必要以上に避けてしまっている。
「お仕事は高速バスの運転手さんで、前に人手が足りないって言ってました。それで退院を焦ってらっしゃるのかも…。」
巣鴨さんの話みたいだけど、相変わらず酒井さんは良く患者さんの事見てるな…。
少しこの2人の掛け合いを見てみよう。
別に、嫉妬だとかそんな感情ではない。
単に面白いというのもあるけれど、巣鴨さんの容態を知りたいのも事実。
浬は自分のデスクに座り、パソコンを開く。
…巣鴨さんのカルテ、かな？
「腎動脈のステント留置は終わって、術後の血栓予防で投薬もしてるのに、どうしてこのINRの数値が改善されないんでしょうか…。」
2人に見ていることを悟られないように、私のパソコンでも巣鴨さんのカルテを開く。
カルテが共同でよかった…。
じっと数値表を見つめる。
そこに表示された画面には佐倉さんの言った通り、INRの数値だけが下がっていない数値表。
「確かに妙だな。」
「先生、お任せ下さい。経過観察を続けて、私が巣鴨さんの謎を解き明かしてみせます！」
そう張り切る勇者ちゃん。
まぁ、張り切るのはいいけど程々に…。
私は1度せっかく見たカルテなのだから看護記録や他の数値も見ようかとマウスを下に動かす。
すると、少しおかしな点が。
「…田沢さん？」
「えっ？」
思わず声に出ていたのか、私の発した田沢さんの名前に佐倉さんが反応する。
浬からは"なんだ"といった目で見られた。
そんな時は無視を決め込むしかない。
「あ…ごめんね、気になって。」
「田沢さんは今日から入院された方です。狭心症で。」
「いや…そうじゃなくてね…？」
「…？」
それでも分からない様子の佐倉さんにパソコンを見せようとすると、浬が一言。
「名前が入れ違ってる。」
「え？」
そう。
私が見た巣鴨さんのカルテの看護記録には、"田沢さん"の記録が書かれていた。
もしかして、と思い田沢さんの方を見ると巣鴨さんの記録が書かれていて。
「田沢さんの記録に巣鴨さん、巣鴨さんの記録に田沢さん。」
そう言い放った浬は佐倉さんを見る。
「その顔は…馬鹿って怒る5秒前…。」
…佐倉さん、逃げて。
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理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (8月9日 23時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2021年1月1日 13時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
はる - 更新応援してます！！頑張ってください！ (2020年6月3日 16時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
椋羽 - 続きの更新お願いします。 (2020年4月11日 1時) (レス) id: 66e72a95d0 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 絽梛さん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません…。頑張ります…！ (2020年3月14日 11時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かの x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月15日 21時
