◎ よん ページ9
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「 ぐあー……なんで調理実習なんて…… 」
『 さっさと手を動かせ 』
「 煙緋さん………少々お冷たくありません… 」
『 はぁ…分かった分かった。
調味料を測るぐらいなら出来るだろう 』
そう。今日は年に一度あるかないかの調理実習の日。
ただ料理は苦手なのであまり気乗りしない。
同じ班の煙緋と雲菫ちゃんは苦笑いでこちらを見ていた。
「 ……小さじ……？適量………
適量？ 」
『 お困りかな？ 』
「 トーマ先生！！お困りです
代わりにやってくれませんか 」
それを聞いて少し考えたあと
先生はこちらを見て微笑んだ。
『 残念だけど、代わりにやるのは無理かな
一緒にやってみようか 』
「 え、いいんですか？ 」
『 うん？いいけど 』
.
「 おお…これが…小さじ 」
『 当たり前だけどね 』
『 先生、こいつの事は放っておいて大丈夫なので 』
「 そんな阿呆な…… 」
煙緋はそう言いながら呆れ気味にこちらを見た。
『 大体先生も沢山生徒を見なきゃいけないんだぞ？ 』
「 そうだけど〜… 」
『 あはは…大丈夫だよ。上手くなってもらいたいし
それに1人を除いて、皆ちゃんと出来てるしね 』
「 褒めないでください 」
『 褒めてないね 』
先生は苦笑い気味にそう言うと
次の工程へと移っていった。
『 次はソースを作ってみようか
何を使うかちゃんと聞いてたよね？ 』
「 あー…… 」
「 ねぇ、雲菫ちゃん 」
『 こら 』
「 …すいません、忘れました 」
『 テストは出来てるはずなんだけどな… 』
「 実技とただ覚えるだけのテストは
全然違いますから！！！ 」
『 そうかな…ちゃんと覚えれば出来ると思うんだけど 』
先生はそう呟くと考え込んでいる様子で腕組みをした。
私がなぜ出来ないのか真剣に考えてくれているのだろう。
『 …小さい頃に料理をした事はある？ 』
「 ありますよ。母の日にカレー作って
家族全員お腹を痛めた事あります 」
『 ……… 』
『 ……諦めよっか 』
「 先生！？ 」
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作者名：きゃと | 作成日時：2022年8月24日 21時
