. ページ6
.
依頼と言うからには何かお祓い的な事をするのだろうか
と思い少し緊張する。
ただ、胡桃がそのような事をしている所は見た事が無い為にわかには信じ難い。
『 ほら、Aも手伝って! 』
「 え、でも私何にも知らないし 」
『 大丈夫大丈夫。簡単だからっ 』
そう言われ何やら紙の束を手渡された。
「 ……何これ 」
『 ん〜?資料整理だよ
あ、ちゃんと確認してファイル毎にまとめてね 』
「 … 」
「 ……これオカルト研究部のやる内容じゃなくない? 」
『 だって心海先生が困ってるって 』
「 雑用係じゃん 」
『 だって何もやる事無いんだもん 』
「 え 」
・
『 最初の頃は部員もそれなりに居て
活動も活発にしてて楽しかったんだけど
本格的な事をやろうとすると人が段々居なくなって… 』
「 ……それでやる事が無くなったから
ここで雑用? 」
『 何もしないよりましかなーなんて 』
そう言う胡桃の目はどこか寂しそうだった。
それを悟らせたく無かったのか直ぐに笑顔に切り替わるが無理をしているのだろう。
「 ……また楽しく活動したくて
廃部阻止したいんだ 」
『 そんな所かな 』
「 ………よし、じゃあ頑張ろっか 」
『 …A!A〜
そういう所なんだから〜 』
「 …どういう所 」
そう胡桃に指でツンツンと肩をつつかれながらも
気にせず資料整理をする。
ふと胡桃を見ると無理していない
楽しそうな笑顔で少し安心した。
『 ふふ、仲がよろしいんですね 』
「 あ……… 」
心海先生は優しく微笑みながらこちらを見ていた。
保健室だということを少し忘れていた。
『 そうなんです!!いいでしょ〜? 』
『 はい、とっても羨ましいですよ 』
「 先生別に答えなくていいから 」
70人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きゃと | 作成日時:2022年8月24日 21時