刹那的 routeR （微ピンク注意） ページ9
「お待たせ、しました…」
悩みに悩んだ結果、水色のアンサンブルで行くことにした。
初デートからかわいい系も、セクシー系も、無いかなと…
いや、別にデートってほどでもないけどね？
あたしは知ってる。竹内涼真さんは優しいんだ。
だから、こうしてハウスキーパーにご飯をおごってくれるだけだ。
それでもドキドキが止まらないのがいじらしかった。
「あ、その格好かわいいね」
これもきっと、常套句。
「ありがとうごさいます」
だから私も常套句で返す。
「そのスカート結構短くない？大丈夫？w」
こちらも常套句。
「はい」
マニュアル通り。
「ねぇ…もしかして、緊張してる？」
「えっ？」
これも…常套句？
竹内涼真さんは優しい。
だから、みんなから愛される。
だから、みんな騙される。
「あの」
「ん？」
自分より下にある顔を覗き込むのは涼真さんの癖だ。
「…気を使わないでください」
涼真さんは、何が？と言うような顔を…している。
「私、涼真さんから必要とされたいです。…普通になりたい。私ばっかり必要じゃ嫌だ！」
涼真さんは、一瞬だけ驚いたようだが、すぐに含みのある笑顔に変わった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そんなことないって。
…俺には紗奈ちゃんが必要だ。
距離なんて無いよ。
あの人はそう言った。
何がそれを証明するのか。
勝手に解釈して喜べるぶんには限界というものが存在する。
証拠…ほしい。
顔を…あげたその時だ。
彼の美しさしか見つからない顔はあっという間に耳と頬骨に埋もれた。
そんで、あたしを強く抱きしめた。
「んっ」
項に刹那的な官能が走る…
それは、甘くとろけるようで、痺れるほど辛い、証拠であった。
「ねぇ、何で俺が紗奈ちゃんをハウスキーパーにして、隣に越してきたか、まだわかんない？」
わかるわけないでしょ。
言いつつ、無意識に触ったのは項の赤みだった。
作者から… （本編ではありません）→←刹那的 routeK （微ピンク注意）
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さな | 作成日時：2017年10月14日 20時
