刹那的 routeK （微ピンク注意） ページ8
「…お待たせ」
バカみたいにドキドキして、結局何にも出来なかった。
一応、赤の水玉のワンピースにボレロを着てきたし、髪も編み込みカチューシャにしてきたし…。
でもやっぱり、何にもできやしない。
「あ…ワンピース、かわいいね」
は。
全く、この男といると、ホントに…変な感じ。
「やだあ、何か賢人が言うと変な感じ〜」
高まる気持ちとは裏腹にまたしてもからかってしまう。
「え…ちょ、今のは結構傷ついたんだけど」
「えー？ごめんごめん」
「お前悪いって思ってないだろ」
「うん、実はそんなに思ってない」
「お前悪いよ」
なんて、急に意味分かんないこと言うから、またこいつのペースに乗せられてしまう。
「何言ってんの？あたしなんかした？」
「した」
「何を？？」
「した！！！」
子供のように大声を出して威嚇してきた。
昔から賢人はこうなると手がつけられない。
何を言っても無駄なのだ。
「何なんだよ…俺がなんのためにお前をハウスキーパーにしてんのかまだわかんないのかよ」
何を言っても無駄。
「何とか言えよ」
無駄。
「こっち見ろって…こっち見ろって！！！！」
そして私のメガネを取りあげた。
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怒りの色から後悔へ、そして焦りへと賢人の顔色は変わっていく。
そして…幼馴染の私も、何度見ても飽きない美しいその顔で私の視界を占領する。
私の頬には考えられないほど大きく思ったより乾燥した指が這う。
指が滑るごとに、ささくれが引っかかってチリチリと痛い。
…接近してくる。
あとどれくらいで、あたしは……
「んっ」
熱かった。
刹那、うなじに火傷のような痛みが現れる。
「…あ………ごめん」
後ろ髪をかきあげると、一箇所がヒリヒリと傷んだ。
「…ん。」
初めてなんだ。だから許してほしい。
賢人は…慣れてるかもしれないけど。
なんて言ったらいいかなんて。分かんないのよ…
一体何人の女に、賢人がこうして印つけてるのかなんて…
刹那的 routeR （微ピンク注意）→←急な呼び出し routeR
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作者名：さな | 作成日時：2017年10月14日 20時
