夏休み初日 routeK ページ4
きょーうーかーらー夏休み〜！
帰宅部だから、思う存分夏を満喫できる…
でも、私には友達と呼べる友達はいない。
むしろこのいじり甲斐のない性格のせいで、一年序盤にて早速ハブられつつあるのだ。
『涼真さん、おはようございます。今日は何をしたらよろしいですか？』
『おはよう( ´o` )今日は、洗濯と明日の朝飯だけお願い。』
『承知しました！』
洗たくかー。
機械を使うのはあまり好きじゃない。
家のとは使い勝手がちがうし、壊したらいやだし…
『おっはー。今日はどうする？エアコンのフィルタやろうか？』
『あー…それはいいや。洗濯と、夕飯と…明日の朝飯よろしく』
チッ。
お前も洗濯か！！！！
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「やっぱり気になるなあ…フィルタ汚いの」
やっちゃおう。賢人帰るまでにやればいいし。
…
ガチャリ
「ただいまー紗奈いるの？」
えっ…ヤバヤバちょっと待って！
まあ、何もやましくはないんだけど、呆れられそうで…
「…ちょっと何してんの紗奈？！危ねーだろ！」
なぜか焦りまくる賢人。目が血走ってる。怖い。
「え？いや大丈夫よ」
「怪我されたら困るし！！」
「何も賢人のせいにはしないよ！！！」
「そういうことじゃなくて…とにかく！こういうのは女にやらせる仕事じゃないから！」
そうだ、賢人は大人になった。いつまでもただの幼馴染じゃない。背も高くて、声も低くて、力もある、ただの成人男性だ。
と言って、私の手を無理やり引っ張った。
「うん、ごめん…」
彼は私を痛いほど見つめてきた。
「…夏休みってことは、撮影とか来れるってこと？」
「あ、まあ…」
そうだそうだ、女は撮影に来なきゃ、と言うこの野郎にいわなければいけないことが、まだあったんだった。
「ねえ、ところで」
私の右手に収まるのは…迷彩柄のボクサーパンツ。
「涼真さんは取っててくれてたよ。これも女にやらせる仕事じゃないと思うんですけど」
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作者名：さな | 作成日時：2017年10月14日 20時
