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ページ16

「いいから黙ってろ、」

「___、」

少し腰を屈めて。

低く、威圧的に耳元で囁かれたその声に。

言葉が、喉の奥で止まった。

この代わり。

「っ、Aさんが彼女!?」

「ええっ、ジョングク先輩のですかっ…!?」

サナさんと、ジョングク先輩に告白していたあの女の子が、騒ぎ出していた。

そして

「なにか文句ある?」

先輩の、そのひとことと共にその場が凍りつく。

「あ、いえ、Aさんの彼氏が、ジョングク先輩だったなんて知らなくてっ、」

いち早く答えたのは、サナさんだった。

「そうだったんですかっ」

両手を前に出して「どうぞ、どうぞ」なんて。

……ほんと、意味が分かんない。

「じゃ、私はこれでね、Aさん」

急に態度を変えたサナさんが、そそくさと去って行く。

……なんだ、あれは。

ジョングク先輩に、並じゃないオーラを感じたのかもしれないけど。

あのサナさんが怯んでくれて助かった。

と、思っていたら。

「嘘っ、先輩に彼女ができたなんて…」

ジョングク先輩に告白した彼女は、信じられないというように、

「フリーだって聞いたのに……」

涙を浮かべながら、友達と一緒に去って行く。

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作者名:サラン | 作成日時:2017年7月16日 9時

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