。。。伍拾漆 ページ10
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『じゃーなー』
「おーう」
「また明日」
その日の帰り道、
電車に乗って外を見ると昼間の晴れていた空とは一転、黒い雲が空を覆っていた
『空、めっちゃ真っ黒やん…』
でも今日雨降らないって予報だしな…
夕立、か?
傘持って来てないし降らないで欲しいんだけどな…
マンションの最寄の駅に着き、俺は早足で駅のホームを出た
駅からマンションまでは約20分、
俺の街は都会の方なので街を歩けばすぐ誰かとすれ違う
今日はなんとなくすれ違う人が少ない…
雨が降りそうだからか?
しばらくするとぽつんと俺の鼻先を何かが濡らした
そしてまたぽつん、ぽつんと
『うわ、降ってきやがった…』
それは雨の雫だった
『やばいやばいやばい…!』
雨はだんだんと本降りの雨になっていく
おかげで制服はびちょびちょ
あと家まで10分以上はあるっていうのに
そのとき「A様!!」と誰かが俺の名前を呼んだ
後ろを振り返ると_____誰もいない
『あ? 空耳か?』
「下! 下でございます!!」
言われた通り下を見るとそこには___
『あっ、お前!! どーりん!!!』
どーりんがいた
「琳堂でございます…A様…」
前言撤回、琳堂がいた
『あ、そーだっけか? 悪い悪い』
がーーん、とがっくりしている琳堂、
相変わらず小ちゃいなぁ〜
『んで、どうしたんだ?』
「あ、これをお使いください!
人間界を散歩していたら、あなた様を見つけたので!」
そう言って琳堂が差し出したのは、葉っぱの傘…なのか?
『これは?』
「傘でございます! 我々、座敷わらしは雨の日はいつもこれを使っているのです!!!!」
『なるほど』
「どうぞ! 使ってください!」
『でも、一つしかねえじゃねえか、琳堂の分は?』
「いや俺は使わなくても大丈夫です! あなた様の役に立てるならそれで満足でございます!」
『そーか、でもそれじゃ俺が嫌なんだよな…
あ、そーだ』
「?」
.
「おっ、おろしてください!! た、高い…!」
『うるせーなー、ちゃんと傘持ってろよー?』
俺は今、琳堂を肩に乗せている、まぁ所謂肩車ってやつ?
「あなた様の肩に乗るなど…なんたる無礼!
申し訳ないですっ…!!」
『やめろよー、そーゆーの!
俺が勝手にやってるだけだしな!!』
じゃ、しゅっぱーつ!
そう言って再び足を動かした
.
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匿名4 - なんでルトは名前があるのに狐(レント)には無いんですか? (2019年2月9日 18時) (レス) id: 86c45a69c5 (このIDを非表示/違反報告)
タピオカ.オピタ - えェえェェェええ!!??このあと凄く気になりますゥゥゥゥウゥウウ!!?同じく更新を恵んでくださいぃぃぃぃぃいい!!!← (2018年12月29日 18時) (レス) id: e7bd5eb28a (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - 更新を、、更新を恵んでくださいいい!!← (2018年5月30日 2時) (レス) id: 2048cbde50 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗マリ - とても面白いです。更新楽しみです。 (2018年4月7日 16時) (レス) id: 5bc062f5e5 (このIDを非表示/違反報告)
さかな(プロフ) - ヒビキさん» あああああ!!!!優しすぎですか!?!?ありがとうございます(´;ω;`) こちらこそよろしくおねがいします〜(*^_^*) (2017年11月5日 17時) (レス) id: 1683482e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さかな | 作者ホームページ:無気力組とシェアハウス、してみたくない?
作成日時:2017年7月15日 21時