俺の部屋には妖怪が住んでいるようだ。弐 【BL】【オリジナル】

。。。陸拾壱 ページ14

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ちゃぷんとお風呂の水面が揺れ、俺と麻呂の唇が重なる



『っ、ん』



麻呂は器用に角度を変えてキスをする

つけては離すを繰り返す


俺が息をしようとして口を少し開けると舌をそこに滑らせる

そして歯茎を上手に舌で這わせ、口内をぐちゃぐちゃちしてくる



『はっ、ぁ…ん……』



しばらくすると頭がくらくらしてきた

これは酸欠のせいなのか、それともただのぼせてしまっただけなのか


小さい密室の中に俺の甘い声と水面が揺れる音だけが響く


ようやくそれは終わり、最後は短いリップ音して、俺と麻呂の体の距離は遠くなる



『っ、はぁ…、はぁっ……』



ぼーっとする目で麻呂を見ると、とても驚いた表情をしていた



『…っで、どーなんだよっ！ そのっ…味ってやつは…！？』



「…お主、まさか……」



『……はぁ？』



麻呂は顎に手を置きなにやらぶつぶつと言っている

時折聞こえてくるのは「いや、そんなことはないはず」だのそういう言葉



『どうかしたのか？』



俺が声をかけると急に麻呂は真面目な顔になる



「A、お主は誰かの生気を吸ったことがあるか？」



『は、はぁ！？！？ そんなこと、あるわけねーだろ！？』



「そうか…、ではもう一度してみないか？」



『もう一度……？ キスをか？』



こくんと麻呂は頷く

しかし、と麻呂は口を開く



「今度はお前がやってみろ、余と同じように」



『同じように…？』



「うむ、一つ確かめたいことがある」



『でも俺、キスなんかしたことないし』



「大丈夫だ、はやくやってみろ」



ぐいっと腰を寄せられ、顔と顔の距離が近くなる


俺からキスすんのかよ… なんか緊張するな…



『じゃ、じゃあやるぞ…？』



麻呂は再び頷く


俺は麻呂に顔を近づけた




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