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家に帰ってすぐさま俺は自分の部屋に向かった
ベットに倒れこみ、枕に顔をうずめこむ
「 あー。 もう忘れてしまいたい…。 」
小さく呟く
それは空間に吸い込まれ消えていった
そのとき、無機質な携帯が鳴り出した
腕を伸ばし携帯をとり、耳に当てる
聞こえてきたのは、愛しい愛しい人の声
『 あ、もしもし、A? 』
「 …うん。 」
『 Aの言った通り図書室に由美ちゃんいたよ! そのあと、Aのこと呼びに探したんだけど見当たらなくて。 』
「 あ、ごめん。 やっぱ予定入っててさ…。 ごめんな。 」
『 あ、やっぱりそうだったんだ。 大丈夫だよ!
でさそのあと由美ちゃんと一緒に帰ったんだ!やっぱり由美ちゃん良い子でさ〜、連絡先まで交換しちゃった! 』
「 …へぇ。 良かったじゃん。 」
『 おう! あ、今度の日曜一緒に遊ぶことになったんだよ! これってさ、デートっていうんかな! 』
「 うん、多分デートじゃん? 楽しめよ。 」
『 おう! で、明日Aの家に行って、服とか決めてもらいたいんだけど…いい? 』
「 ……いいよ。 」
『 よっしゃ! ありがとな!! 』
「 うん。 じゃ、またな。 」
『 うん! 』
ツーツーと電話が切れる
腕の力が抜け、ぽふんとベットに腕を落とす
携帯を握っていない方のもう一つの腕を空中に伸ばす
ぎゅっと虚空を握る
( もう、俺のものには、ならない…。 )
「 蒼…、好き…、好きだよ…。 」
手をぱっと開き、その手もベットに落とす
( 俺は、蒼に惚れすぎたんだ…。 )
耳には時計が時を刻む音だけが響いていた
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クラ - とっても、面白かったです (2017年9月28日 16時) (レス) id: 2a765dcfd1 (このIDを非表示/違反報告)
佳仁(プロフ) - 何回も読みたくなります!消してほしくないです (2017年8月22日 19時) (レス) id: 6bff3cee54 (このIDを非表示/違反報告)
さあさあ - 消しちゃうなんてもったいないです・・・残念です・・・ (2017年8月22日 1時) (レス) id: 1d354ecbc8 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 間に合ってよかったぁ、面白いです! (2017年8月21日 21時) (レス) id: ce8af5c15e (このIDを非表示/違反報告)
翔也(プロフ) - 三日間に間に合って良かった(´・∀・`) (2017年8月21日 15時) (レス) id: 8a71459d56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さかな | 作者ホームページ:無気力組とシェアハウス、してみたくない?
作成日時:2017年8月20日 14時