魔法？いえいえ呪術です ≪５≫

223話 ページ38

アズール「さて、Aさん。
貴方は生徒たちを自由にしてほしいと言いますが、
僕は彼らに不当な労働をさせているわけではありませんよ？

お分かりですよね？」

『あぁ。あの馬鹿共がお前達の噂に釣られて契約した』

アズール「話が分かる人は好きですよ。

そう、彼らは契約書の内容に合意し僕と【契約】交わしたんです。
【契約】は“可哀想”だとか、そんな感情的な理由で他人が口を挟めるものじゃあないんです。

つまり、一昨日お越しください。……ということです」





軽くあしらわれることは分かっていた。
ジャックが俺に視線を向け「どうすんだよ」と訴える。
まぁ、何も考えていなわけではない。

コイツが唯一乗ってくる話題は1つ＿＿＿＿


　
　
　
『じゃあ、俺と【契約】しませんか。アーシェングロット先輩』

ジャック「っ？！おいA！！お前何考えてんだ！」





ジャックが怒るのは分かるがアーシェングロット先輩と話をするのならば
【契約】の話が一番手っ取り早い。

その証拠に俺が【契約】と言った時アーシェングロット先輩の口元がゆるりと緩んだ。
待ってたんだ…俺が話を持ち掛けることを。



　
　
アズール「ほぉ、僕と取引をですか…面白いですね」

フロイド「ふはっ、小エビちゃん、度胸あるじゃん」
　
『うおっ！どこから湧いた垂れ目リーチ先輩』



　
　
　
いつからこの部屋にいたのかいつの間にかソファの背もたれの方から顔を出し
俺の顔を覗いていた。その隣には片割れのツリ目リーチ先輩もいた。


　
　
　
アズール「……ふぅむ。あなたが僕と取引したいのはわかりましたが……
しかし困りましたねぇ。確かAさんは魔法の力をお持ちでない。

美しい声もなく、一国の跡継ぎいうわけでもない。本当にごく普通の人間だ。

それだけ大きなものを望むのでしたら、相応の担保が必要です」

ジャック「担保、だと？」

『……』


　
アズール「貴方の“術式”というものを担保にする、と言うのはいかがですか？」

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