魔法？いえいえ呪術です ≪２≫

73話 ページ28

『ホントに離して。』

「目の前の獲物をライオンの俺が見逃すと思うか？」

『獲物にしては肉がついてないのでおいしくないかと』

「そうかもな。だがな、俺が知りたいのはお前自身だ」


　
　
　
拘束されつつも己から逃げ出そうとする俺が面白かったのか
その綺麗な顔面に薄く笑みがこぼれた


　
　
「気に入った。お前、名前は。」

『誰が言うかっつーの』

「良いのか？早く言わないとずっとこのままだぞ？」


　
　

勝ち誇った笑みが余計にムカつく！！
本気で言わないとこれは離してくれそうにもない


　
　

『……龍門寺Aだ。言ったんだから離せよ』

「言えば離すと誰が言った？」

『マジでムカつく！！！』

　
　
　
　
ずっと、拘束されつつも逃げ出そうと必死になっていると
どこからか声がした

　
　
　

　
「レオナさーん！」

「あ？」

「もー。やっぱりココにいた。レオナさん、今日は補習の日ッスよ」

レオナ「はぁ……うるせぇのが来た」
　

　
　
　
どうやら、この人は俺の救世主らしい
どうかそのまま俺から注意をひいててくれ！！


　
　

　
「レオナさん、ただでさえダブってんスから。
これ以上留年したら、来年はオレと同級生ッスよ？」

レオナ「あー、煩ぇ。キャンキャン言うんじゃねぇよ、ラギー」

ラギー「オレだって言いたかないッス！もー、やればできるのに何でやんないんスかぁ」

　
　
　
　
レオナと言う人に声を掛けたのはラギーさんというらしい
てか、この人留年してんの
マジか
　
　
＿＿＿＿しかし、チャンスだ
ラギーさんが話していてくれたお陰で
手首の拘束が緩くなり俺は一気にレオナとかいう人から距離をとった

　
　
　

　
レオナ「チッ…ラギー、テメェのせいで逃がしちまっただろうが」

ラギー「俺のせいっスか！？って、 その子、噂の新入生じゃないっスか
なんで、一緒に？」

レオナ「俺の縄張りに入ってきたから…食おうと思っていた所だ。」

『食うなよ。カニバリズムか』

レオナ「違ぇよ。にしてもその身のこなし。やっぱりただ者じゃねぇな」

『さぁ？どうだろうねっ！！！』
　
　
　
　
　

俺は出口を目指して一直線に走りだした
いきなりの事に驚いたのかレオナとラギーさんはビックリしている
数秒後、レオナが我に返り叫んでいる


　
　
　


レオナ「オイッ！！」

ラギー「あらー、逃げられちゃったスね」

レオナ「お前のせいだ」

ラギー「さっきのはアンタも反応出来てなかったじゃないっスか」

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