えっヒーロー？ ページ35
「さーて、かと言って敵さんの言う通り一階の大広間に行っちゃあ、俺らはモブに成り下がっちまう」
「無個性なんだから、この世界ではモブで間違い無いよ」
「うるせー！ とりあえず、敵さんの情報が欲しい。何人いて、何が目的で、何をしたいのか」
「それからそれぞれを各個撃破する手段ね」
ああでもないこーでもない、とやんややんやと言い合っていると、ふと誰かの気配を感じて、俺らは息を潜めた。
敵か？
「……もしや、早速各個撃破のチャンス到来？」
「馬鹿。……情報ゼロでの遭遇戦は絶体絶命のピンチでしょ」
うん、まあ下手打てば俺らが殺されるだろうな。
息を潜めて小声で会話してると、“誰か”は俺らに声をかけてきた。女の声だ。
「そこに、誰かいるんですの？」
デキる女感100%の声がする…！
これは強敵の予感だ。
「ジェイソン、俺が行くわ」
「は？ アンタより僕の方が動けますケド」
「だからじゃん。もしお前が動けなくなったら、戦力ガタ落ち、その時点で全部お陀仏なんだよ」
「……了解。気をつけて」
「おう」
小声での会話を終え、大袈裟にたたらを踏んで女の前に躍り出た。
「やあ、はじめましてだな。俺の名前はA。お姉さんは？」
「……八百万百、です」
うん？ なんかこの人、見覚えあるな。
「もしかして俺ら、どっかで会ったことある？」
「バッカ何口説いてんのA。八百万百はヒーローだよ」
おまっジェイソン、隠れてろって……え？ ヒーロー？
「えっ入って来ちゃったの？ 何人で？ 敵、捕縛できそう？」
「ええっと、あなたたちは敵、ではないのですね？」
「むしろ逆よ。あいつら懲らしめてやろうと思ってる側」
「一般人なのに、どうしてそこまで思えるのですか？」
八百万はどうにも不思議な質問をしてくる。
「俺が人を助けたいって思うのに、理由が必要なのか？ 助けたいから、しか出てこないんだが」
それにしても、ヒーローがいるなら百人力だな。
やっぱり戦力差ってのは覆し難いものだ。
「それより、ヒーローは何人侵入できてる？」
「あっえと……私はたまたまここに居合わせただけで。ヒーローとしてなら犯人の脅迫もあって、未だ誰も来てませんわ」
ははーなるほど。
「そりゃ災難だったな、八百万。ヒーローの休日ってのはそんなに多くないだろ？」
「ええ、まあ……」
「……酷なこと聞くけど、ヒーローとして動く気、ある？」
ピクリと八百万は反応する。
「もちろんですわ！」
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←学んだことは使わなにゃ無価値
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
音無春奈(プロフ) - 大好きです！主人公とジェイソンの手際がいい笑、ストーリー性もどストライク!!これからも応援してます！！ (2018年3月18日 18時) (
レス) id: 7d75b6b206 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ - 主人公の考え方がすごく好きです。いや、もちろん犯罪はだめですけど（笑）更新頑張ってください！ (2017年8月13日 19時) (レス) id: 5352f2a595 (このIDを非表示/違反報告)
水彩(プロフ) - ロフさん» 本当ですね、すみません！ ご指摘、ありがとうございますm(_ _)m (2017年7月16日 18時) (レス) id: 39230931c8 (このIDを非表示/違反報告)
ロフ - こんにちは。突然すみません。オリジナルフラグを外し忘れていませんか？ (2017年7月16日 18時) (レス) id: afc5de7b10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まあじ | 作成日時：2017年7月16日 17時
