学んだことは使わなにゃ無価値 ページ34
「お客様はあちらの出口からお逃げください！」
店員さんが他の客を誘導してデパートからの脱出を図っている。
あそこは出口を出たらもう外だ。心配しなくてもいいだろう。
「よし、ジェイソン。行くぞ」
「了解」
俺たちはとりあえずデパート内を駆けた。
途中、血を流してる人には圧迫止血をし、気絶してる人には回復体位を取らせた。
呼吸が止まっているような人はいなかったので、胸骨圧迫をする必要はなかったのは幸いだ。
「あんた、応急手当の手際クソ良いよね」
「？ 普通だろ。応急救護の講義受けたら誰でもできる」
「こういう咄嗟の場面では、できる方が珍しいよ」
「俺は使えない技術を覚えたことはないんだ」
俺が覚えた技術は、全て俺のためにある。
使わない技術なんて、価値がない。
「あそこにも暴れてる人がいるな。また出入り口塞いでんのか」
「もっかい意識刈り取る？」
「いや、あいつは他人を傷つけるのに躊躇いがない。俺らが近寄ると逆に危ないが…」
「放っておくこともできない、でしょ？」
「そうだ」
「じゃあなんとかしよう」
「どうやってだよ」
「それを今から考えるんじゃん。ちったあAも頭使いなよ」
「……そうだな、俺らは今武器もない。素手で戦うしかない状況だ。この状況で
「うん、かと言って説得できるほど悠長な時間はない。トラップを仕掛けるのが最も効果的だけど、この場所だと仕掛けられるトラップも限られてる。……粉塵爆発でもやる？」
「おまっ、却下だ馬鹿。怪我人を増やそうとするな」
さて、どうするか。
こういう時個性があれば話も違ったんだろうが、俺らには個性はない。
しばらくしたら警察や消防隊、ヒーローが到着するんだろうけど、待ってる間にも怪我人は増える。
ザザっというノイズ音の後に、男の声が館内放送から聞こえた。
『本日このデパートにお越しの皆様にご連絡です。このデパートに警察やヒーローが突入してきた瞬間、この建物を爆破し、全員殺します。死にたくなければ、警察やヒーローに救助要請はするな。今動ける人は、1階の大広間まで来てください。繰り返します、今動ける人は1階の大広間まで来てください』
こいつは、首謀者の声か？
いや、それより大事なのは、この場にヒーローも警察も来れないってことだ。
要は、動けるのは俺らしかいない。
「っしゃ、燃えてきた！」
「僕は萎えてきたよ……」
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音無春奈(プロフ) - 大好きです！主人公とジェイソンの手際がいい笑、ストーリー性もどストライク!!これからも応援してます！！ (2018年3月18日 18時) (
レス) id: 7d75b6b206 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ - 主人公の考え方がすごく好きです。いや、もちろん犯罪はだめですけど（笑）更新頑張ってください！ (2017年8月13日 19時) (レス) id: 5352f2a595 (このIDを非表示/違反報告)
水彩(プロフ) - ロフさん» 本当ですね、すみません！ ご指摘、ありがとうございますm(_ _)m (2017年7月16日 18時) (レス) id: 39230931c8 (このIDを非表示/違反報告)
ロフ - こんにちは。突然すみません。オリジナルフラグを外し忘れていませんか？ (2017年7月16日 18時) (レス) id: afc5de7b10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まあじ | 作成日時：2017年7月16日 17時
