特別編ー昔話�� ページ31
「おーやってるやってる」
ニュースでは【謎の一般人がヴィランを拘束！？ 正体不明の隠れたヒーローは一体何者なのか】みたいな煽り文句が付けられてる。うん、気分がいい。隠れたヒーロー、ってのが良い。良いセンスしてるじゃないか、TV局。
「しっかし、俺らの銀行強盗が失敗に終わっちまったしな」
「次どこ狙うの」
「うーん」
どこ狙おうか。うんうん唸っても答えは出てきてくれない。だから俺は逃げるように、その場から脱出した。
「買い物行ってから考えるわ！」
ジェイソンから逃れ、街に出てみると、あんな事件が起こったからって大した変化はない。流石、超常現象に慣れていらっしゃる新人類の皆様だ。
一人でブラブラ街中を歩いた。途中ですれ違ったお巡りさんに挨拶し(痴漢・暴漢の検挙でお世話になってる)、老婆の荷物持ちをし、道に迷ってる外国人の案内をし、……
「なあ、君！」
俺は突然呼び止められた見知らぬ声に振り向く。
そこには銀行強盗の時のガリガリのおじさん。
「お、久しぶり〜！ あの後大丈夫だった？ 俺らだけ逃げてごめんよ、面倒ごと丸投げしちゃって」
「めちゃくちゃフレンドリーだな君。別に構わないさ。それより、なんで逃げたんだ？」
「いやあ、面倒ごと嫌いでさ。あのまま行くとTVに映っちゃうじゃん？ 俺の仕事柄、TVで目立つのは好ましくないんだ」
「ちなみにどんな仕事を？」
「ひ、み、つ☆」
教えてたまるか。俺は嘘をついてると悟られないように、いたって平常心で答える。堂々としてりゃ嘘なんてバレないさ。
「君、名前は？」
「A。おじさんは？」
「おじさん…いやまあそうなるか。私はオ…俊典だ」
「おとしのり？」
「俊典だ」
「オッケー、俊典くんね。もうあんなのに巻き込まれちゃいけないよ！ じゃあねー」
「待ちたまえ！」
「何か用だった？」
「……ああ、連絡先を交換しないか？」
「いいよ」
「いいのか！？」
「またまた、自分から聞いたくせに〜」
大体、俺が携帯何台持ってると思ってんの。足がつかないように五台ぐらいはあるって。そのうち一台教えるだけだもの。
むしろ断る方がダメ。人間、逃げる奴ほど追いかけたくなる習性があるから。
「ほい、これ連絡先。気が向いたら連絡して」
じゃあね、と今度こそ俊典くんとお別れした。
その後、別の事件で偶然会うことになるのは、また別の話。
【俺と俊典くんの出会いの話】
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音無春奈(プロフ) - 大好きです！主人公とジェイソンの手際がいい笑、ストーリー性もどストライク!!これからも応援してます！！ (2018年3月18日 18時) (
レス) id: 7d75b6b206 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ - 主人公の考え方がすごく好きです。いや、もちろん犯罪はだめですけど（笑）更新頑張ってください！ (2017年8月13日 19時) (レス) id: 5352f2a595 (このIDを非表示/違反報告)
水彩(プロフ) - ロフさん» 本当ですね、すみません！ ご指摘、ありがとうございますm(_ _)m (2017年7月16日 18時) (レス) id: 39230931c8 (このIDを非表示/違反報告)
ロフ - こんにちは。突然すみません。オリジナルフラグを外し忘れていませんか？ (2017年7月16日 18時) (レス) id: afc5de7b10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まあじ | 作成日時：2017年7月16日 17時
