切り裂き魔vs切り裂き魔 ページ27
ジェイソンside
「へーえ、君が、そう」
僕はここ最近、夜歩きをしていた。
理由は単純、犯人を誘き寄せるためだ。
「なんだ、お前は！ ヒーローか！？ 警察か！？」
「残念、そんな生ぬるい正義の味方じゃない」
案の定、ひっかかったお馬鹿な模倣犯をひっ捕らえる。
ナイフがどこにあるのかと探してみたが見当たらない。多分、あの切り傷はこの犯人の『個性』だな。
チッ、厄介な。
「ナイフ持ってきておいて良かった。君を切り刻むには使い慣れた物が一番だよね」
クルクルとナイフを指先で回す。
切れ味抜群のサバイバルナイフだ。
青い顔して絶句してる少年に、僕は語りかける。
この少年も、まさか自分が『殺される側』に回るなんて思ってなかっただろう。
「そういえば君、切り裂き魔の模倣犯やってるらしいけど、当の切り裂き魔は未だ捕まってないって知ってた？」
「そりゃ勿論知ってるさ！ 俺は彼に憧れて人殺しを始めたんだ。それに、今なら全部の罪を彼に擦りつけて、俺は事実無罪放免だ」
「じゃあ、切り裂き魔がここにいたって、おかしくないよね。だって、本物の切り裂き魔は無差別殺人を売りにしてるんだから」
「……ま、まさか、あんた」
「そう、僕が本物の切り裂き魔だ。要は犯罪者だよ。君を殺すために、一夜限りの復活を遂げるんだ」
「お、おい冗談だろ？ 俺はあんたの仲間だぜ！？ 切り裂き魔同士仲良くやろ…ヒッ」
「うるさいなあ、僕うるさいやつが一番嫌いなの。黙って死んで」
「〜〜っくそ！」
その少年は個性で腕全体をナイフに変えて、僕の拘束を力尽くで解いた。
「……痛いじゃないか」
斬り付けられて血が出てる左腕を見下ろして、まあ大丈夫だろうと考える。
「何、鬼ごっこ？ それともかくれんぼ？ どっちでもいいけど、僕子供じゃないんだよね。大人には子供に付き合ってる時間はないの。さっさと死ねよ、もー」
僕はゆっくりした足取りで、コツンコツンと足音を敢えて響かせながら、少年を追いかける。
どうせ発信器をつけたのだから、携帯で確認し放題だ。
必死の形相で逃げる少年を追いかける。
どうやら僕を振り切ったと勘違いしたのか、違法ドラッグの溜まり場の倉庫に侵入したみたい。
「馬鹿だなあ、袋の鼠なのに」
出入り口が一つしかない倉庫に入るのは愚策としかいえない。
たっぷり時間をかけて倉庫に到着する。
少年のいるだろう方向へ迷う事なく、足を運ぶ。
棚の裏を覗き込み、一言にっこり笑って言い放つ。
「みぃつけた！」
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音無春奈(プロフ) - 大好きです！主人公とジェイソンの手際がいい笑、ストーリー性もどストライク!!これからも応援してます！！ (2018年3月18日 18時) (
レス) id: 7d75b6b206 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ - 主人公の考え方がすごく好きです。いや、もちろん犯罪はだめですけど（笑）更新頑張ってください！ (2017年8月13日 19時) (レス) id: 5352f2a595 (このIDを非表示/違反報告)
水彩(プロフ) - ロフさん» 本当ですね、すみません！ ご指摘、ありがとうございますm(_ _)m (2017年7月16日 18時) (レス) id: 39230931c8 (このIDを非表示/違反報告)
ロフ - こんにちは。突然すみません。オリジナルフラグを外し忘れていませんか？ (2017年7月16日 18時) (レス) id: afc5de7b10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まあじ | 作成日時：2017年7月16日 17時
