ヒーローと犯罪者 ページ26
耳郎響香side
「え犯罪者って何？」
「スリとか強盗とか、まあ色々だ。けど、俺は人殺しと痴漢はしないって決めてる」
ドヤ顔で何言ってんのコイツ。
違う。そうだけどそうじゃない。
「なんで犯罪者ってカミングアウトしたの…」
「何事においても前提は大事だろ？」
首を傾げて、何を当然の事を、と言わんばかりだ。
くっそ、なんか腹立つ！
「そんで、ジェイソンも犯罪者なんだ。あいつは俺と出会う前から犯罪者だった。俺がジェイソンと出会ったのは、あいつに殺されそうになったからだ」
殺される？
こいつが何かやらかしたのか。あり得る。
「それが今から四年ぐらい前の話。だから、切り裂き魔が偽物だってわかったのは……」
そこで沈黙した。
どうやらヒントはここまで、という事らしい。
「……ジェイソン君が本物だから、だね」
緑谷が男の言葉の続きを語ったのを聞いて、驚く。
ジェイソンが、切り裂き魔？
うそ、あんなに優しそうだったのに。
男はその言葉を否定しなかった。
「あいつもう今はやってないんだ。本当だ、四年前から一度もやってない。それなのに模倣犯が出てきてしまった。ジェイソンは自分がやった犯罪が模倣犯を生んでしまったから、責任を取ろうとしてるんだ」
「それで切り裂き魔はもう居ない、ってことにしたいんだね」
「……そういうわけで、俺は警察にもヒーローにも頼めない。あんたら個人に頼みたい。無理だっていうなら、他言無用で頼む」
男は頭を下げる。
なるほど、ヒーロー活動じゃなくて、個人として、知り合いとして助けてほしいって訳ね。
それなら犯罪者だと言っても、捕まえる権限はないから。
「……分かった。あんたに協力するよ」
「僕にも出来ることがあるなら言って。手伝うから」
「……っありがとう、恩に着るよ」
困ってる人を助けるのがヒーローだ。
悪い事を正すのがヒーローだ。
じゃあ、私のなすべき事は決まっている。
「あ、けど、現行犯であんたらが犯罪してたら、問答無用取っ捕まえるから」
犯罪者を捕まえることもヒーロー業の一環だ。
今はそれより優先すべきことがあるから見逃してあげるけど、次はないと思え。
「おう、もちろん。俺らは全力で逃げ切るわ」
男は犯罪者と思えないほど屈託のない笑みを浮かべた。
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音無春奈(プロフ) - 大好きです！主人公とジェイソンの手際がいい笑、ストーリー性もどストライク!!これからも応援してます！！ (2018年3月18日 18時) (
レス) id: 7d75b6b206 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ - 主人公の考え方がすごく好きです。いや、もちろん犯罪はだめですけど（笑）更新頑張ってください！ (2017年8月13日 19時) (レス) id: 5352f2a595 (このIDを非表示/違反報告)
水彩(プロフ) - ロフさん» 本当ですね、すみません！ ご指摘、ありがとうございますm(_ _)m (2017年7月16日 18時) (レス) id: 39230931c8 (このIDを非表示/違反報告)
ロフ - こんにちは。突然すみません。オリジナルフラグを外し忘れていませんか？ (2017年7月16日 18時) (レス) id: afc5de7b10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まあじ | 作成日時：2017年7月16日 17時
