【新章】不穏 ページ19
俊典君との出会いを話して、その日は解散となった。
「あ、これ僕の連絡先。一応これでもヒーローだから、何かあったら呼んで。駆けつけるから」
「サンキュー」
緑谷から紙を渡される。多分呼ばないけど。
俺、これでも犯罪者だからね。
俊典君との出会いは、まあ、今は必要ないから、みんなに話すのはまた今度な。
全部が終わったら、その時教えてやるよ。
・
それから数日が経った。
お金はなんとか使い果たし、俺とジェイソンは次の計画を予定していた。
「次の銀行強盗なんだが、」
「また？ いい加減他の事やらないと、警察に目を付けられてるよ、僕ら」
「うーん、そうなんだよなあ。けど、何やろう」
うーん、と二人して悩む。
人に伝える事が俺の目的だから、人が大勢いて且つインパクトがあるイベントを考えなきゃいけない。人の印象に残りやすくするには、インパクトが大切だ。
銀行強盗は人(質)もいるし、利益もある。
うってつけではあったが、確かに最近警備が厳しくなってる気がする。
そろそろ俺らが人を撃たない、ってバレてる気もするし、強引に押入られて捕まる、なんて事態もありうる。
何より人質も押し入ってくる警察もヒーローも、皆ほとんど個性持ちだから、本気でかかってこられたら抵抗する術はない。
「捕まるのは嫌だよなあ」
「両方捕まったら終わりだね」
「……怪盗の真似事でもするか。義賊になろう」
「アルセーヌ・ルパンでも目指すつもり？」
「それも良いかもな。大衆人気が出るっていうなら、それだけでやる価値はある」
早速どこを襲撃しようか、頭の中で組み立て始める。
テレビのニュースキャスターは今日も今日とて粛々とニュースを読み上げる。
『昨夜未明、男女が斬りつけられ死亡するという事件が発生しました。現場付近には“再起”とスプレー缶で記されており、警察は、過去に連続切り裂き魔として騒がれた犯人が再び犯行に及んだとして調査を進めています。ところで○○さん、過去の連続切り裂き魔事件から4年経っておりますが＿＿』
ブツッ。
ジェイソンに電源を切られたテレビは沈黙を貫く。
「……ジェイソン？」
「うん、どうかした？ それより計画立てようよ」
「…ああ」
ジェイソンの身に纏う不穏な空気に、俺は気付かないフリをした。
あいつはもう過去のあいつじゃない。
変わったんだ、だからきっと大丈夫。
大丈夫だよな、ジェイソン？
俺は心の中の不安に蓋をした。
連続切り裂き魔、再来→←「なれるよ」って言ってくれる大人は少ない
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音無春奈(プロフ) - 大好きです！主人公とジェイソンの手際がいい笑、ストーリー性もどストライク!!これからも応援してます！！ (2018年3月18日 18時) (
レス) id: 7d75b6b206 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ - 主人公の考え方がすごく好きです。いや、もちろん犯罪はだめですけど（笑）更新頑張ってください！ (2017年8月13日 19時) (レス) id: 5352f2a595 (このIDを非表示/違反報告)
水彩(プロフ) - ロフさん» 本当ですね、すみません！ ご指摘、ありがとうございますm(_ _)m (2017年7月16日 18時) (レス) id: 39230931c8 (このIDを非表示/違反報告)
ロフ - こんにちは。突然すみません。オリジナルフラグを外し忘れていませんか？ (2017年7月16日 18時) (レス) id: afc5de7b10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まあじ | 作成日時：2017年7月16日 17時
