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シャチとイルカの共演7 ページ43

何分間そうやって叫んでいたかは分からない。
泣いて喚いて、感情を発散しようとしても出来なくて、体の中には未だ、怒りと悲しみと憎しみがぐちゃぐちゃなまま押し込まれている。

ようやく周りのことが見えてきた時には、既に子供達の体は冷えていた。
おかしいな、こんなに近くで家が燃えてるのに。なんで俺の手も子供達の手も冷たいんだ。
俺のは分かる。体の末端にまで、血が流れてないからだ。血の気が引くというのは本当だったらしい。だが、すぐ治るだろう。
子供達と違って……。

「織田作ちゃん」

カレー屋の親爺に声を掛けられる。
彼が生きていてくれた事が、唯一の救いだ。
はは、私は結局、織田作の人生を奪って、それなのに何一つ救えなかったボンクラだ。子供達の未来まで奪ってしまった。そしてこれから、私は織田作の未来も奪う事になる。ごめんなさい。

私は子供達の目を閉じてやる。
織田作がやったように、一人ずつ名前を呼びながら。
体があるだけマシだったのだろうか。いや、死んでしまったのならどちらであろうと関係ない。
死んだ時に体が残ってても残ってなくても、どうせ燃やせば灰になる。
目を凝らせば、遠くの方にマフィアであろう武装した人物が三人横たわっている。彼らでは手も足も出なかったんだな。仕方ない。
太宰には部下を死なせてしまったと、後で言っておこう。……いや、言う機会もないか。自力で気付くだろ。

「親爺」

俺は静かに親爺に話しかけた。

「いってくる」

いつのまにか置かれていたバツ印の付いた地図を、懐にしまった。

「織田作ちゃん、死んだらいけないよ」

いつになく真剣な顔で親爺にそう言われる。
知ってるさ、そのぐらい。
私だって死なせたくない。織田作を生かすために生きてきたんだから。
でも、子供達のことを許すことも出来ない。
私に他人を許せる強さがあれば、織田作が死ぬ事もないのだろうけど。

「分かっている」

分かってるけど、許せないんだ。

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翡翠 - 凄い文章力の羅列…裏山しいたけ(古い)何なんだ !あなたは !天才か! ?文豪じゃないのk(( はい。これからもどうか、頑張っていってください !更新を心待ちにしております!!! (2019年12月11日 1時) (レス) id: 72fefee69b (このIDを非表示/違反報告)
らい - 面白い........!これからも更新頑張ってください。応援しています。 (2019年8月9日 2時) (レス) id: 3b0d55ccc1 (このIDを非表示/違反報告)
チューリップ - 織田さんの成り代わりある様でないですよねぇ〜。更新待ってまーす (2019年4月4日 1時) (レス) id: 8fad14733d (このIDを非表示/違反報告)
ひな - とっても面白いです!更新楽しみにしています。頑張って下さい! (2018年12月3日 15時) (レス) id: 81fb36e344 (このIDを非表示/違反報告)
世桜 - 凄く面白くて、一気読みしました!!細かな心情が描かれていて、続きが気になります。更新心待ちにしています。頑張って下さい! (2017年4月10日 0時) (レス) id: f27162b486 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まあじ | 作成日時:2016年6月12日 11時

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