イルカは半分だけ眠る2 ページ22
ある異能者が死んだ事で所有者不在となった裏金五千億を巡って、関東一円の黒社会が繰り広げた流血と殺戮の宴。
街を歩けば10分に一度は襲撃を受ける。
この時ほど私の異能が便利だと思った事は無い。
夥しい量の死体の山が築かれ、その処理は極めて難航した。
何せ死体処理の人数より死体の数が多すぎるのだ。
そして何日か放っておくと腐りだす。蛆が湧く。そんな死体を処理するのは嫌だが、やるしか無いから仕方ない。
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龍頭抗争で親を失い、私がいなければ死んでいた筈の子供達5人を私は引き取った。
私の担当店舗のカレー屋の親爺に無理言って頼んで、子供達を住まわせて貰った。感謝しかない。
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安吾と会った。ようやく、役者が揃った。
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龍頭抗争が終わった。殆どの組織が壊滅に近い打撃を受け、消耗戦に突入しようとしていたので、流石に手を引いたらしい。
・
『織田作之助』の栄誉を守る為に子供達を拾った。
だが、それだけじゃなくて、本当に子供達が好きになりそうだ。
大丈夫、この子達を、私の愛し子を殺させやしない。
私を止めたいなら織田作連れて来い。話はそれからだ。
・
中島敦がいた孤児院は何処だろう？
そこの院長先生は元黒社会で生きた人間だ。
もし、もしも私の所為で子供たちが死ぬことになったら。その時に子供達を逃すとしたらそこしかない。
子供達にとっては、もしかすると地獄かもしれないが、それでもあそこの院長先生は優しい人だと思うから。
『織田作』のおかげで子供達は生き永らえた。
『私の所為』で子供達が死ぬなんて、まっぴら御免だ。
・
そろそろだ。運命の日まであとちょっと。
それまでに出来る事などもう何もない。
頭の中で何度もこの日をシュミレーションした。
下手にアクションを起こして、先の分からない出来事を避けるより、決まってる未来を壊した方が楽に決まってる。
ここでこうすれば織田作は助かる、けど、それでは織田作はただの人殺しだ。人殺しになるトリガーはどうする。子供達は殺させないとしたら、他にトリガーたり得るものなんて無い。
予感は所詮予感で、実際の所何かが起こってからでないと行動なんてできやしない。誰かが言ってたその言葉。
違うよ、何かが起こると分かっていても、出来る事なんて限られてる。
けど、未来は変えられない？命は救えない？
そんな終わり方、認めない。
私は重度のハピエン厨なんだ。
私はーー
「織田作ちょっといいかな？」
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翡翠 - 凄い文章力の羅列…裏山しいたけ(古い)何なんだ !あなたは !天才か! ?文豪じゃないのk(( はい。これからもどうか、頑張っていってください !更新を心待ちにしております!!! (2019年12月11日 1時) (
レス) id: 72fefee69b (このIDを非表示/違反報告)
らい - 面白い........！これからも更新頑張ってください。応援しています。 (2019年8月9日 2時) (レス) id: 3b0d55ccc1 (このIDを非表示/違反報告)
チューリップ - 織田さんの成り代わりある様でないですよねぇ〜。更新待ってまーす (2019年4月4日 1時) (レス) id: 8fad14733d (このIDを非表示/違反報告)
ひな - とっても面白いです!更新楽しみにしています。頑張って下さい！ (2018年12月3日 15時) (レス) id: 81fb36e344 (このIDを非表示/違反報告)
世桜 - 凄く面白くて、一気読みしました!!細かな心情が描かれていて、続きが気になります。更新心待ちにしています。頑張って下さい! (2017年4月10日 0時) (レス) id: f27162b486 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まあじ | 作成日時：2016年6月12日 11時
