液晶越しの御加護【刀剣乱舞】 (ページ4)

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「姉様ただいまー」

「良く帰ったな我が下僕」

「レア5とやらは来たの」

「お帰りなさいませA様」

　お姉ちゃんが見つめていたパソコンには《1:30:00》が映し出されていた。どんまい。

　前に私は『1時間以上も待つんだから、いいんじゃないの？』と姉の心の傷の上で見事にバク転をしてしまった。それからは特に触れないようにしている。

「あ、そうだ。Aに……」

「……？どうしたの」

「何か虫に刺された？ここ、赤いよ」

「えっ嘘!? 今年は虫刺されを作らない事が目標だったのに……」

「ほれ、これ塗っとけ」

「へーい」

　別に痒くないんだけどなあ……と、薬を受け取りながら思う。まあ、後から来るタイプも有るしね。

　それでも何でか納得が行かない私はぶうたれながら薬を塗った。

「痒くないんですけどお」

「後から痛みが来るかもね」

「やだあ」

　今日は軽く厄日だ。テスト期間に比べたらなんでもないけど。

　夏休み初日から災難だわー……変な人に名前は聞かれるわ虫に刺されるわ……。

「もうやだ」

「虫刺されだけでここまで落ち込む人初めて見た」

「そう言えばさっき真っ白い人に会った」

「話が飛び過ぎて理解不能」

　言っちゃ悪いけど服装とかオーラも含めて人外にしか感じなかったんだよな。

　……別に詳しく話す様なことでもないか。言おうと思っていたことは冷たい麦茶で飲み込んだ。

「――Aの虫刺され、虫刺されっぽくないんだよな。……ああいうの、なんて言うんだろう。切り傷？擦り傷？ ……うーん……？」