海王に来た１人の少女…。4

同じ者同士。 ページ9

浪川side

海図:…どうして、ここに来たの？

静かに、ボソリと言う海図。

湾田:どうしてって…、ここにいるって海さんが、｢僕が聞きたいのは、そう言うことじゃない!!｣

いつもの海図と、違うのか、皆は肩をビクリと震わせる。

海図:どうして、僕の所へ来たの!?放っておいてよ！姉さんから聞いたんでしょ？僕達の過去。僕は、その過去を受け入れられない！弱いんだよ！その過去を受け入れたら、お父さんとお母さんも居なくなったっていうことを認めてしまう……！ ………嫌なんだ。認めるの。

海図は自分を抑えきれていない。
つらりつらりと口がストッパーが外れたみたいに怒鳴っているように叫ぶ。

A:…………っ。

新島は戸惑っている。

その様子をちらりと横目で見て俺は海図の前に出る。

海図:…？キャプテン……？どうした、｢馬鹿かお前は!!!!!｣

空に響き渡るほどの大音量。
まさしく、俺の怒鳴り。

浪川:受け入れたら、居なくなる？誰が決めた？誰もそんなこと言ってねぇだろ!!てめぇのそのフラフラした感情は一体誰から受け継がれてんだ!?ぁあ!?お前の両親は、本当に居なくなると思ってるのか!?

いつの日か、こんな怒鳴り声をあげた覚えがある。

海図:…………っ。キャプテンに何がわかる、｢ああ、わかんねぇな。お前の思っていることが。｣

ごめんな、海図。

でも、お前を救えるのは、

大切な人を失った、俺しかいねぇから。

乗り越える強さ。→←悔しさ、悲しさ。一気に後悔へと。

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