海王に来た１人の少女…。4

真実を教えてあげましょう。 ページ43

海side

海:メニエール病？

A:はい。教えてくれませんか？

今から、資料を作ろうと職員室を離れたときのことだった。

目の前には新島――Aちゃんと、小さな女の子が並んでいた。
正直、退きそうになるほどの凄い顔で尋ねられた。怖い。

海:まぁ…、いいか。じゃあ、部室に行きましょう？

私は2人を今は授業中で誰もいない部室に案内した。

――――………。

海:そういや、なんで私に聞こうと思ったの？

A:え、あぁ。航が前、自慢げに話してたんで…『姉さんはさ！医学にも興味あってね！病気のことを調べてたりしてるんだよ！凄いよね!?可愛いよね!?やっぱり、最高だよ姉さん！』って。

一瞬、耳を疑いそうになる。
航、正直今、引いたよ…………。

海:…じゃ、じゃあメニエール病ってのはね。

A:さらりとスルーしましたね。

突っ込みが入るが気にしない。
早く終わらせて、仕事をしたい。

少し前までの悪夢…というか、航のことを忘れたい。

海:メニエール病っていうのはストレスによって起こる病気なの。精神的ストレスか、身体的ストレスとかでね。

凪沙:ストレス…………。

凪沙ちゃんは、驚いたような、信じられないというような顔をして呟いた。

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