海王に来た１人の少女…。4

わかんねぇよ、そんなの。 ページ18

浪川side

連れてこられたのは理事長室だった。

そこには俺と理事長の他に１人、

浪川:監督…！

そう、俺達の監督、九鬼監督がいた。

九鬼:よぅ、浪川。

監督は俺がここに来ることをわかってたかのように振る舞う。

いや、わかっていたのかもしれない。

浪川:え!?ど、どういうことですか？

理事長:説明は後。さぁ、君はどうして困っていたんだい？

理事長は半ば強引に聞く。

浪川:あ…。実は、藤堂さんが部活に来ていないんです。いつもは来るはずなのに。風邪ではないらしいですが…、なんか嫌な予感というか、なんだかザワザワするんです。

理事長:うむ。君は凄いね。

唐突に言う理事長。
俺のどこが凄いんだ。

理事長:君の勘、かな？当たっているよ。藤堂さんはまさに窮地にいるだろうね。

今度は俺の予想は当たっていた。

浪川:え…!?どういうことですか!?

理事長:だけど、彼女を助けるには時間が必要だね…。君はどうして彼女の事を？

浪川:…っ、わ、かんないです…。だけど、俺はキャプテンだ。仲間が苦しんでいるのを見過ごすのは嫌なんです。仲間を救うのがキャプテンなんだ！って、思っているから…。それに、藤堂が時おり見せる悲しそうな目。見る度になんだか、苦しくなるんです…。

正直に。言うんだ。
俺だってわかんねぇよ、あいつを救いたいって思った理由。

おい、どこにいるんだ？→←理事長の含み笑い。

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